4)背景
Monotypeのフォントワークス買収は、単にフォントベンダー業界のグローバル化という紋切型の話では終わらない、非常に残酷で絶望的な状況下で起きていることなんだ、という話をします。日本語圏のクリエイターやデザイナー、映像コンテンツの視聴者や活字読者・漫画読者を含めた日々フォントに関わる多くの人たちは、法外な価格に耐えられずフォントワークスの書体が使えなくなるのは残念だと思っているはずです。しかし、フォントワークスの書体は今後、「Monotypeの高額料金を支払うことのできる企業だけの贅沢品」になってしまう可能性がかなり高そうです。筑紫書体などの主力書体だけなら、今後も一定の金額で利用可能な選択肢が残るかもしれませんが、「フォントワークスの全書体を安価に使い放題」という時代は終焉したと判断するのが現実的だと思われます。