公正取引委員会告示
第1号
当委員会は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第6条第1項の規定に基づき、排除命令をしたので、同条第3項の規定に基づき、次のとおり告示する。
昭和52年1月24日
公正取引委員会委員長澤田悌
一排除命令を受けた事業者の名称及び住所
二排除命令の要旨
(一)主文の要旨
1
2 同社は、今後、分譲地の取引に関し、新聞、ビラ、ポスターその他これらに類似する物による広告をするときは、本件事実と同様の記載をすることにより、その内容について、実際のものよりも著しく優良であり、また、その価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示をしてはならない。
3 同社は、今後1年間、分譲地の取引に関し、新聞、ビラ、ポスターその他これらに類似する物による広告をしたときは、直ちに、当委員会にその広告物を提出しなければならない。
(二)事実の要旨
1
(1)イ大新ハウス株式会社(所在地東京都渋谷区恵比寿南一丁目10番(10号)に無断で同社名のビラ(以下「第1のビラ」という。)約300000枚を作成し、新聞販売店を通じて、昭和51年5月1日、読売新聞及び毎日新聞に、同月2日、朝日新聞に折り込み、千葉市及び千葉県船橋市におけるこれら新聞の購読者である一般消費者に配布した。
ロまた、大新ハウス株式会社に無断で同社名のビラ(以下「第2のビラ」という。)約300000枚を作成し、新聞販売店を通じて、昭和51年5月8日、読売新聞に折り込み、東京都墨田区、江東区、@飾区及び江戸川区並びに千葉県市川市及び船橋市における同紙の購読者である一般消費者に配布した。
(2)イ長島商事名のビラ(以下「第3のビラ」という。)約389000枚を作成し、新聞販売店を通じて、昭和51年5月22日、朝日新聞に、同月23日、読売新聞及び毎日新聞に折り込み、東京都墨田区、江東区、@飾区及び江戸川区におけるこれら新聞の購読者である一般消費者に配布した。
ロまた、長島商事名のビラ(以下「第4のビラ」という。)約389000枚を作成し、新聞販売店を通じて、昭和51年5月29日、朝日新聞に、同月30日、読売新聞及び毎日新聞に折り込み、東京都墨田区、江東区、@飾区及び江戸川区におけるこれら新聞の購読者である一般消費者に配布した。
2 (1)所在地
長島商事は、この分譲地の所在地について、第1及び第2のビラにおいて、「総武本線都賀南口駅前案内受付」等と記載し、あたかも、この分譲地の最寄り駅は、国鉄総武本線都賀駅であるかのように表示し、また、第3及び第4のビラにおいて、「総武線西船橋本日ヨリ受付開始南口駅前受付中」等と記載し、あたかも、この分譲地の最寄り駅は、国鉄総武本線西船橋駅であるかのように表示しているが、実際には、この分譲地の最寄り駅は、国鉄総武本線八街駅であつて、この分譲地は、前記都賀駅から約20キロメートル、西船橋駅から約45キロメートル離れた地点にあるものである。
(2)価格
長島商事は、この分譲地の価格について、
イ第1及び第2のビラにおいて、「安さと道路付が自慢の一m25400円から今回限り」、「思いきつた@価格一m2¥五、400円から七、200円まで(最高地14、800円)」等と、第3及び第4のビラにおいて、「安さと環境が自慢の一m25400円から」、「価格思いきつた@今回限り一m2五、400円から七、200円(最高地17、0円)」等と記載し、あたかも、安価な区画が相当数あるかのように表示しているが、実際には、同社が販売しようとした14区画は、すべて一平方メートル当たり14240円以上である。
ロ第1及び第2のビラにおいて、「総額534、600(99m2・一区画より)」と、第3及び第4のビラにおいて、「総額534、600円(99m2・一区画より)」と記載しているが、実際に同社が販売しようとしたこの分譲地の一区画当たりの価格は、すべて2110000円以上である。
(3)支払方法
長島商事は、この分譲地の代金の支払方法について、
イ第1及び第2のビラにおいて、「頭金100000円の残金長期ローンで」、「土地のお求めは暮しのペースをくずさない長期ローンをご利用下さい。」等と記載し、あたかも、同社が金融機関と提携してローン提携販売を行つているかのように表示しているが、実際には、同社が割賦販売を行うものである。
ロ第3及び第4のビラにおいて、「頭金100000円の残金長期クレジツトで」、「土地のお求めは暮しのペースをくずさない長期ローンをご利用下さい。」等と記載し、あたかも、同社が割賦販売又は金融機関と提携してローン提携販売を行つているかのように表示しているが、実際には、同社が割賦販売のみを行うものである。
ハ第1ないし第4のビラにおいて、「頭金100000円で、月々のお支払いは七、200円」、「年利12%」、「全額を5年(60回)均等払い。」と記載し、一平方メートル五、400円の土地99平方メートルを5年60回払で購入した場合、毎月の支払額が約七、243円〔総額534,600円-100,000円(頭金)=434,600円434,600円÷60回=約7,243円〕プラス金利となり、ボーナス払を併用すると更に毎月の支払額が少額になる旨を表示している。
しかるに、この分譲地には、一平方メートル当たり五、400円の区画がないため、この支払例が適用される区画はない。また、仮に、この支払例が適用される区画があつたとしても、七、200円のほかにわずかな利息を支払えばよいものではなく、この金利年12パーセントは、アドオン方式によるものであり、このほか分割手数料と称する金利が加算されるため、実質金利は年約23・75パーセントとなり、毎月の支払額は、約12400円となる。
(4)環境
長島商事は、この分譲地の環境について、
イ第1及び第2のビラにおいて「現地周辺公共施設」と、第3及び第4のビラにおいて「物件の周辺公共施設」と、それぞれ、記載した上、「商店街」、「役場」等と説明を付した写真を掲載しているが、この商店街は、八街駅前商店街であり、役場は、八街町役場であつて、いずれもこの分譲地から約九キロメートルの地点にあるものである。
ロ第3及び第4のビラにおいて、「公共施設(学校…近し)市街中心地にも近く便利」と記載しているが、この分譲地は、八街町の中心地の近くにはなく、この分譲地に居住する者の子弟が通学する八街中央中学校から約九キロメートル離れた地点にあるものである。
(5)私道負担
長島商事は、この分譲地の私道負担について、第1ないし第4のビラにおいて何ら表示していないが、実際には、購入面積の約九パーセントないし約14パーセントは、私道に供されるものであつて、占有利用ができないものである。
(6)利用の制限
長島商事は、この分譲地の利用の制限について、第1ないし第4のビラにおいて何ら表示していないが、実際には、この分譲地は、都市計画区域内にあり、一区画については、千葉県知事から道路位置の指定を受けていないため、また、13区画については、千葉県知事の許可を受けて開発行為を行わなければならないものであるところ、許可を受けずに開発行為が行われたため、直ちには、建築物の建築ができないものである。
(三)法令の適用
前記事実によれば、長島商事は、当該分譲地の内容について、実際のものよりも著しく優良であり、かつ、その価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示をしているものであつて、かかる行為は、不当景品類及び不当表示防止法第4条第1号及び第2号の規定に違反するものである。
三不服申立ての方法
この命令に不服がある者は、不当景品類及び不当表示防止法第8条第1項および不当景品類及び不当表示防止法第6条第3項の規定による排除命令の告示及び同法第8条第1項の規定による審判手続の開始の請求に関する規則(昭和37年公正取引委員会規則第3号)第2条で定めるところにより、この告示の日から30日以内に、当委員会に対し、当該命令に係る行為について、審判手続の開始を請求することができる。なお、この排除命令の表示は、「昭和52年(排)第1号」である。
1977年1月24日
昭和52年本紙第15010号 1頁
y1977m0124d19770124s52h15010p1