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スクールカウンセラーが『みいちゃんと山田さん』を最後まで読んで。私はみいちゃんに生きていてほしかった


幼稚園から高校までスクールカウンセラーをしているさいさいです。

『みいちゃんと山田さん』の最終話まで読みました。※この記事は最終話のネタバレを含みます。

読み終わって最初に残ったのは、「なんか報われない」「なんか納得いかない」という消化不良な感じでした。

面白かったし、いい漫画だったと思います。
いろいろわかったこともありました。

でも、なんか納得いかない。

なんでなんだろう、とずっと考えていました。

「みいちゃんの人生ってなんだったんだろう」

最終話を読んでいて、山田さんが「みいちゃんの人生ってなんだったんだろう」と言う。

この時点でこれを言うの、エグいなというか、すごいなと思いました。

私もまさに「そうね、そこなんだ」と思ったんです。

ただ、その問いが出てきたからこそ、もうちょっと何かあるのかなとも思っていました。

みいちゃんの人生について、もう少し解き明かされるというか、考える余地があるような何かがあるのかな、と。

でも、そこはかなりあっさり終わった。

山田さんの死に方のことや、体重の増減も含めて、私にはよくわからないところも残りました。

みいちゃんと山田さん

一方で、最後まで読んでわかったこともありました。

みいちゃんと、ちゃんと向き合ったのは、山田さんだったんだと思います。
そして、山田さんもちゃんと繋がれたのはみいちゃん。

おそらく取り繕わなくて良い存在であるみいちゃんには伝素直な夢を伝えられて、その夢を実現できた。

でも、これは山田さんがみいちゃんを一方的に救う話ではなかったんだと思います。

みいちゃんには山田さんしかいなかった。
同時に、山田さんにもみいちゃんしかいなかった。

それぞれにとって大事な人というか、「つながれた人」だったのかなと思いました。

そう考えると、『みいちゃんと山田さん』は、本当にこの二人の話だったんだなと思います。

「障害者の話」として読むのか

感想を見ていると、「出会うとろくなことがない」「やっぱり障害者に関わらないほうがいいんだよね」というようなものも目にしました。

この話からそういう結論に至るんだな、というのはちょっとびっくりしました。
多分、この話を「みいちゃん」という一人の女の子の話として見ているのか、それとも「知的障害のある女の子の話」として見ているのかで、だいぶ読み方が違うのかなと思います。


また、山田さんは、みいちゃんと会って夢を実現しようと思えて夢に向かっていった。
そして、一部が実現しています。
山田さんのお母さんは失敗したと言っておりますが、山田さんの人生としては失敗とは思えません。

また、これは「みいちゃん」という一人の女の子と山田さんという女の子と2人のお話だと思って読んでいました。

だから、彼女が受ける悪意の連鎖と、それに翻弄されていくみいちゃんに、どうしても重きを置いて見てしまいます。

でも、「知的障害のある女の子がどんな人生を送るのか」というような記号的な見方をすると、また違った受け止め方になるのかもしれません。
そして、個人の幸せというよりも社会的な成功などの価値観で見ると成功ではないのかもしれません。

ただ、私はそういう見方って、なんかすごくつまらないなと思います。

記号的に障害のある子として見ずに読んだ方が何倍も面白いのに…と感じます。

実際、すごく面白い話だったし、いい漫画でした。

それが単に「障害者の話」にされてしまうと、ちょっと違うなという感じがします。

これは「リアル」なのか

この作品について「リアル」という言葉もよく見かけました。
でも、私の中では、そんなに「リアルな話」という感じはしませんでした。

知的障害、家庭の問題、学校、性的搾取、自傷、貧困、人の悪意。

いろんなところで起こり得る現象が、みいちゃんの人生に寄せ集められているような感じがあります。
だから一部分を切り取るとリアルっぽい。
でも、「知的障害のある女性のリアルな人生」と言われると、私はちょっと違うように感じます。

私は、みいちゃんに生きていてほしかった

そして、ここまで考えて、やっと自分が何に納得できなかったのかわかった気がしました。

私は途中から、いろんな現象を読んでいたのではなく、「みいちゃん」という一人の女性を応援していたんだと思います。

みいちゃんは、いろんな悪意に翻弄されてきました。
それでも、あんなに生きることに貪欲で、楽しんでいた。
なのに最後は、また悪意の中で、あまりにもあっけなく死んでしまった。

以前、性的暴行によってみいちゃんの人生を大きく間違った方向へ傾けた人が、また彼女を死に晒している。その重さに対して、あまりにも軽く進んでいく感じもエグかったです。

だから「みいちゃんの人生ってなんだったんだろう」に、何か答えがほしかったわけでもなかったのかもしれません。

ただ、

私は、みいちゃんに生きていてほしかった。

多分、それが私の消化不良の正体なんだと思います。

アニメ化の是非やどんなことを考えたのかはまた別の時にまとめてみたいと思います。
今のところ考えているのは、下記です。

・みいちゃんが別ルートに行く分岐点はどこに?
・アニメ化を反対する理由

他にもなんか気になる点があったら質問箱でご意見ください。

これまでの備忘録はこちら


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子育て中のスクールカウンセラー。公認心理師/臨床心理士。 「子どもにとって何がいい? 大人に何ができる?」を日々考えています。 読んだあとに「そういう見方もあるのか」「明日ちょっとやってみよう」が残るnote。 ※Amazonアソシエイト参加中
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