ロケットナウ配達員「商品つまみ食い」動画拡散 “10年以下の拘禁刑”に加え、客・運営会社へ“ダブル賠償”のリスクも…“悪ふざけ”の重い代償【弁護士解説】
損害賠償を請求される可能性も
では、民事上の責任についてはどうか。 三木弁護士によると、配達員が商品を「つまみ食い」することは、客に対しては民法上の「不法行為」、運営会社に対しては「債務不履行」にあたり、損害賠償責任が生じる可能性もある。 すなわち、本来なら依頼した客のものである商品が配達前に一部を食べられてしまえば、少なくとも減った分が客にとっての損害となる。 また、つまみ食いによって商品の衛生状態に問題が生じた場合、その商品を客に配達しても「注文された商品を適切な状態で客へ届ける」という義務を履行しなかったと評価される可能性がある。 その場合、客との関係で不法行為が成立し、商品の全額について、つまみ食いをした配達員が賠償責任を負うことも考えられる。また、運営会社との関係では債務不履行が成立し、損害賠償義務を負うことになり得る。 次に、つまみ食いの様子が映った動画を拡散した点については、運営会社に対する「不法行為」として損害賠償責任を負う可能性があるという。 今回の動画は、本当に配達する商品をつまみ食いしたのか、それとも自身で購入した商品をつまみ食いしているように撮影しただけなのか、詳細は不明だ。 しかし、「ロケットナウの配達員がつまみ食いをしている」という内容の動画を投稿する行為それ自体が、運営会社の名誉・信用を傷つけるものと評価される可能性がある。 したがって、会社側から動画を投稿した人物に対し、名誉・信用を傷つけられたことを理由とする損害賠償を請求されることも考えられるのだ。 フードデリバリーをめぐっては、配達員による商品の無断飲食にとどまらず、配達先に侵入して性的暴行を行った事例や、配達員を装っての犯罪など、さまざまなトラブルが起きている。 今回の騒動は、配達員のモラルを問うだけでなく、会社側が配達員をどう管理し、利用者の信頼と安全をどう守っていくのかという課題も浮き彫りにするケースといえそうだ。
弁護士JPニュース編集部