宇宙戦艦でストレス発散する対策はTSです
宇宙からの侵略生命体バグズを早期撃破するため人類は宇宙戦艦を作り上げバグズに対抗した。
しかし長期の宇宙の任務によりクルーの精神的ストレスという問題が起こった。その問題を解決するため……TS慰安プログラムが始動したのだった。
……という感じの話。元ネタはあむぁいさんところで掲載されていた宇宙戦艦ネタですが。
先日投稿したイラストコミックでいろいろイメージが膨らんで小説にしました。そういえば最近小説書いてなかったなぁ、というのも相まって。
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宇宙ヤバい、とは誰が言い出したのだっけ?
実際に宇宙はヤバい。なにせ広い、無限、何があるのかまだよくわかっていない、そして…地球外生命体が侵略してくる。
時代は近未来、長らく地球では地球外生命体がいるかいないかと論争にはなっていた。
その論争に終止符が打たれたのは、その地球外生命体が突如として侵略してきたからだ。
夢や希望に満ちたファーストコンタクトなんてものは一欠片もなし。指先タッチで子供と仲良くなるなんてことも、光の国から来た正義の銀色の巨人なんてことも。
突如としてそいつらは大気圏を突破し、群れをなして飛来した。侵略者たちは問答無用で地上を荒らし回った。
そいつらの姿形は、一言で表すなら馬鹿デカい害虫。
多節足の甲殻、ギラついた複合眼、不気味な羽音を響かせる薄膜の羽、名前も呼ぶのもはばかられるGにそっくりな奴らもいて。
およそ好意を持てる要素が一つとして存在しないその外見的特徴から、誰からともなく「バグズ」という通称が使われ始めた。
最初はネット上のスラングや一般市民の戯言に過ぎなかったその呼び名は、報道番組や軍の広報官までが当たり前のように口にするようになり、あっという間に全人類共通の公式名称として定着してしまった。
それくらい、奴らの見た目はどこからどう見ても虫そのものだったのだ。
とはいえ人類側の兵器が奴らにまったく歯が立たないというわけではなかった。
ミサイルや重火器の集中砲火を浴びせればバグズの頑丈な甲殻も砕け散り、撃退すること自体は可能だったのだ。
人類の科学技術は、侵略者に屈するほど弱くはなかった。人間は強いんだぞ!
しかし問題はその戦う場所だった。一個体そのものはそれほど強いわけでもない。が、奴らは大抵群れを成してやってくる。
そしてひとたびバグズの地球襲来を許してしまうと、どれだけ迅速に迎撃したところで相応の被害は避けられない。
都市部に巨大な虫の大群が落下し建築物を破壊し、暴れ回る。仮に早期に全滅させたとしても、残されるのは瓦礫の山と多大な経済的損害、そしてバグズの死体の山。
防衛戦に勝利しても地上は焦土と化す。被害はたまったものではない。こんな戦いを何度も繰り返していれば、バグズに滅ぼされる前に地球の文明と経済が自滅してしまうのは目に見えていた。
なんか妙案はないか。被害を最小限に抑えつつ、奴らを効果的に駆逐する方法は? と。
そこで誰が言い出したのか「地上で迎え撃つから被害が出るなら、地球に来る前に潰せばいいんじゃね?」という。
至極当然であり、かつ極めて野心的なこの結論に人類がたどり着くまでにそう時間はかからなかった。
地球にやって来る前にはるか上空、つまりは宇宙空間で早期にバグズを発見し、大気圏外で全滅させる。実に簡潔な方法である。
それからの人類の団結力と技術革新は実にスピード感あふれるものだった。
地球各国はバグズ防衛のため連合防衛軍を結成し、持てる高度な科学技術と資源を結集、脅威のスピードで対バグズ兵器そして戦術を構築していったのだ。
そうして誕生したのがSFロマンあふれる宇宙戦艦群である。
過去の科学者は「宇宙戦艦なんて所詮空想ですよムリムリ」などと言ったかもしれないが、実際にできちゃったし作っちゃったし。
いずれにしても、この戦艦の性能は折り紙付き、地球外でのバグズ殲滅の力を人類は得ることができたのである。
その戦力は確かなものだった。その絶大な火力と圧倒的な索敵精度によってバグズは地球の遥か手前、漆黒の宙域で次々と殲滅され消えていった。
戦略的には間違いなく大成功と言ってよかった。地球の被害は以降皆無と言っていい。
宣伝効果もあってか宇宙戦艦は大人気となり、関連玩具もなかなかの売り上げだったとか。
が、どれほど戦艦の性能がハイテク化し、兵器が全自動化されようとも、それを実際に動かし索敵し引き金を引いているのは生身の人間である。
そして、ここに問題があった。
無限の漆黒が広がる無機質な宇宙空間、外界の風景といえば遠くに輝く小さな星々。
窓の外を見つめても癒やしなどどこにもなく、出て来る感想は星が綺麗だなぁではなく「真っ暗だ」しかない。
そんな環境下で数ヶ月、ヘタをすれば年単位で任務をこなさなければならないのだ。そりゃあクルーたちのメンタル不調が現れるのは時間の問題だった。
いくら訓練を受けた兵士とはいえ、やっぱり中身はただの人間。肉体的な疲労は睡眠と栄養補給で回復できても精神的ストレスは別の話。
そして男女平等が訴えられた世の中であっても、この手のミリタリー系は男が圧倒的比率保持。
男ばかりの密閉空間じゃあ、そりゃあ溜まるものも溜まるでしょうよ。
無論上層部も問題を受け止め、色々と対策は講じていた。艦内にジムなどの娯楽施設の用意、質のいい食事、映画サブスク等のコンテンツ無料配信、等々。
一定の効果はあったものの、いまいち決め手に欠けた。やっぱりそもそもが男ばかりの空間ってのが、ねぇ。
戦う上でメンタルケアは大事な要素、当然この問題に関してもどうするか協議と議論が重ねられていた。
そしてあーでもないこーでもないと繰り返され、ひとつの究極の解決策をひねり出した。
誰が言い出したのか「男しかいないんだったら男が女になればいいんじゃね?」って。
実のところ、バグズの対抗手法を検討し開発していく過程で人間の性別を比較的簡単に変える方法が作り出されていたりして。
その時は実用段階とまではいかなかったが、研究を重ねていくうちにできてしまったのだ、簡単に性別を変える手法とそれによる機械が。
そいつを使えば一時的に男を女にできる、ってことで。
つまりクルーのうち一定数をその機械を使って交代制で女にして、そいでもって男性クルーの性的発散のお相手を担当させる、ってことで。
要するに「男同士でストレスが溜まるなら交互に女になって身内で処理し合おう!」という。なんという自給自足。
当然その提案を耳にした者たちは思った……正気か?
もう滅茶苦茶である。しかし恐ろしいことに連合防衛軍の上層部はこれを真面目に検討し、正式に採用してしまったので。
折角できるならやっちゃおう、って軽いノリだし。
かくして一応はそれらしい形式ばった名称な『TS慰安プログラム』が爆誕したのである。
そして俺、テツヒデが乗務する宇宙戦艦『機龍Ⅲ』でもそのための設備が設置され、かくしてクルーの精神的ケアを目的に『TS慰安プログラム』が始動してしまったのであった。
「……マジで女になっちまったなぁ」
艦内の通路を歩く俺、テツヒデは自らの体を見下ろし、驚きのようなため息のような声を漏らすばかりだった。
一応交代制の『TS慰安プログラム』の女役に今回初めて当たったわけであり、こうして初めて自分自身が女になったのであり。
なので先ほど処置室を訪れた次第。足を踏み入れ自身の情報を伝えると医療スタッフがてきぱきと機器の準備を始めて。
TSシステムの機器類は見た目医療カプセルのようなもので、そこに全裸になって入る。
医療スタッフは女性であり女の目の前で全裸になるのはなぁ、なんて思っていたが「あー自分もこの機械で女になった男だから気にしないで」と言われてどう反応していいかわからなかったが。
釈然としない思いが混じりつつ、全裸になって言われるがままに機械に入った。
そして機械が作動すると、とてつもない光に包まれ、一瞬意識を失い、そして気がついた時には……女になってた。
それが先ほどの出来事。機器から出たところで確認のために処置室の全身鏡の前に立った俺は、そこに映る自分の姿を目にして感嘆の声を漏らすかぎり。
思わず漏れ出た声は自分でも思わず耳を疑ってしまうほど高く、元の声とは程遠い澄んだ女性のもので。
鏡に映っていた自身の姿は、どこからどう見ても見事なプロポーションを誇る一人の美女だった。
動きやすいようにと短く絡めた髪は多少伸びた程度であるが、顔の造りはそれに相まって角が取れてやわらかなラインになり。
首筋から鎖骨にかけてのラインは華奢でいて艶やかで、引き締まったウエストから丸みを帯びた腰回りのラインは元々の男の俺の肉体とは何から何までかけ離れている。
手も鍛え上げた筋肉質な強さを感じる様子は衰え、肌の質感もまるで違う。そっと肌を撫でてみれば指先から伝わる感覚そのものが繊細になっているのが分かった。
そして鏡ではっきりと確認できた。足の間の突起物が、無くなっていた。
その個所はほぼ無毛であり、つるっとした表面で、突起物があった個所には縦の割れ目があり。普段通り意識しても、その存在が感覚としても確認できない。
男ではなくなった、というのが知らしめられた気分だった。
さらに……胸の存在感がすごい。
鏡で生で見た存在感にも圧倒されたが、今現在こうして歩いている視線を少し下に向けるだけで足元の視界を大きく遮る二つの巨大な膨らみが目に入る。
手で下から持ち上げてみると、ずっしりとした重みが手に伝わってくる。歩いていると揺れを感じる。存在感と重量感がすごい。
そんなわがままボディを包んでいる制服であるが……
「……自分で着るとなると、落ち着かねえなぁ」
今まで着ていた制服と違い、現在は女性用……正確にはTS慰安プログラム用の制服を着ている。
これがなかなかのクセ物だった。端的に言えばやたら露出が多い、エロい。
連合防衛軍の宇宙戦艦クルーに採用されている制服はパンツとジャケットの組み合わせ。それは原則男女共用だ。
しかしTS慰安プログラム用は違う。ワンピーススタイルのやたら丈の短いスカート、というかチャイナドレスの形状に近いか?
体にはやたらピッタリフィットし、ボディラインを隠すつもりが微塵もない。
サイドスリットが腰あたりまであって、ぴらぴらめくれて簡単に中が見えそう。
きわめつけは谷間がぱっくり大きく開いていて、ボリュームある胸部装甲の峡谷がこれでもかと存在感アピールしている。
見る分には実にいいけど、自分で着るとなると実用性どこ行ったレベルで落ち着かない。
TS慰安プログラム前提の運用とはいえ、これで艦内を歩き回るのかと思うと早くも頭が痛くなってきた。
頭痛の前に体感に慣れておかないといけない。なにせ本職は軍人でありバグズの撃退が主任務であるから、いざという時に思う通り体が動かなかったら話にならない。
というわけで処置室を出て、慣れるために艦内を歩いているのだが……やっぱり差が大きい。一言でいえば重心が違う。
胸の重みのせいか上半身が前に引っ張られるような感覚があり、相応の荷物を運搬しているかのよう。
一歩踏み出すごとに胸がゆっさゆっさと揺れる。一応ブラによって支えられてはいるが、なかったらもっとひどいことになっているかも。
無論重量物が肩にかかる負担も見過ごせないのだが。
尻もボリュームを増しているせいで、足の動きが今までと明らかに違う。
ぶっちゃけ、尻も揺れる。たまに尻を振って歩く女性を見たことがあるが、別にわざとやってるわけじゃないんだなアレと妙に納得する。
それとなにより、股間の存在感が。
今まで男として存在していた物体が消失しており、なんだか落ち着かない。意識してしまうせいか、無意識のうちに内股気味の歩き方になってしまう。
緊急時の対応で走ることになったらこの体はなかなか大変な事になりそうだ。早いうちに慣れないと……
慣れるという意味では運動能力以上に問題があった。先ほど処置室で説明されたことだ。
それは……排尿について、要するにオシッコ。
男から女になっている、つまり下半身の物体が存在しない、これが意外と排尿に大きな問題につながっている。
この物体の存在があるかないかで下腹部の筋肉のつき方と尿道の構造も大きく変わっており、膀胱の保持力も全然違うという。
そのため、筋肉の使い方が変わっているため尿意の我慢の仕方が大きく違うという。
率直に「男の時の感覚でまだ大丈夫だとタカをくくってたらトイレのドアを開ける前で確実に漏らすよ」と注意されたし。
なお、その説明をした医療スタッフもまたTSした元男な女軍医であり、実体験に基づいた注意らしい。
そんなこともあって俺は現在、ショーツの下に尿漏れパッドを装備している。慣れるまでは一応つけておくといいという忠告に従ったままだ。
さすがにこの年でお漏らしなんて恥ずかしいことをするわけにもいかないしな……尿意を感じたら早めにトイレに行くとしよう。
なお、男と女の違いについて立ちションできなくなる、というのがあるが、そもそも宇宙戦艦内は立ちション禁止だ。
なぜかというと、艦内は人工重力がかかっている。しかしこれが何かの拍子で停止、例えば急遽別のリソースに人工重力で使用しているエネルギーを回す必要が出た時に艦内は無重力になってしまう。
そんな突然の環境下で立ちションなんてしていたらどうなるか? 大惨事である。トイレ内だけで汚染がおさまっていればいいが、最悪艦内全体に汚染が広がってしまう可能性がある。
そうした事態を避けるため、男も小用であっても用足しは座るというルールであり、そもそも立ち小便器なんて設置していない。個室トイレで無重力でも使えるようバキューム式となっている。
そんなトイレ事情はさておき……とにもかくにも俺は女になってしまったのは事実であり。
「……まあ、なったものは仕方ない。腹を括るしかないな」
改めて自身の体を見下ろす。揺れる胸、漏れ出る高い声、存在感のない股間、まぎれもなく女であり。
これから待っているTS慰安プログラムに複雑な思いが交錯する。なにせ何度か俺も利用させてもらったのだ、抗うわけにはいかんだろう、と。
「よう、テツヒデちゃん。見事に美人になりましたなぁ」
女の体に慣れきらないぎこちない足取りで廊下を歩く俺の横に、いつの間にか不躾な笑みを浮かべながら並びかけてくる奴がいた。
チラ、と目をやる。俺は心底ウザそうなため息を、そいつにわかりやすく吐き出した。
「……うるせえよ、ヨシテル」
俺の口から出た男の時とは違う澄んだ高音に「うーん、声もバッチリ可愛くなっちゃってまぁ」などとさらに茶化してきやがる。
こいつ自身、数週間前にTSプログラムにあたり既に女になっている……ある意味では女のセンパイというわけだ。
だが先に女になったというだけの理由で先輩ヅラして上から目線でおちょくってくるのがなんとも腹が立つ。
「そんなカッカするなよぉ、カワイイ顔が台無しだぜぇ」
「これのどこがカワイイんだ?」
角が取れて女の顔になったことは事実だが、実のところ顔の造り自体は元々の男の時と変わっていなかったりする。
感覚的には姉か妹がいたらこんな感じの顔だろうなぁ、って印象であり、つまりは基本男の時と変わっていない。
それをカワイイと言われては、おちょくられているとしか思えない。
「えー、十分カワイイ女の子になったと思うぜぇ? そしてオレもカワイイだろぉ?」
「……うぜぇ」
そう言って胸を張りポージングしてみせるヨシテル。どうやら当人は自身の女になった姿に大変満足しているらしい。
TSプログラムで女になったヨシテルもまた例外なくスタイル抜群の美女に変身しており、着ているのは俺と同じく露出過多なTS慰安用制服。
動きに合わせて、たわわに実った胸が誇らしげに揺れ、腰元のサイドスリットからは白い太ももが覗いている。
まあ……その体の全容については俺はそれなりによく知っているのだが。
なにせこいつがTS慰安プログラムで女になったほぼ直後に抱かせてもらったわけで。
男だった頃のガサツな言動はそのままなのに、こいつのボディは紛れもなく女で、抱き心地は柔らかく、喘ぎ声は異様に色っぽかったなぁ。
次第にお互い夢中になってしまって……あの時の光景を思い出し、俺は少し顔が熱くなるのを感じて慌てて首を振った。
「で、こうして女になったということは、いよいよ今日から本番だな?」
「本番って言い方すんじゃねえよ」
「まあまあ、今日からテツヒデちゃんもTS慰安プログラムのために本格始動! テツヒデちゃんの魅力だったら男性クルーたちのアイドル間違いなし!」
「アイドルになるつもりはねぇ」
楽しそうに肩を叩いてくるヨシテル。ますますムカつく。
とはいえ女になった以上はプログラムの規定に従って他の男性クルーのお相手に勤めなければならないのは事実。
自分が男だった時に利用させてもらった以上、今度は提供する側に回るのがルールである。
とはいえ、拒否権が無いわけではない。TS慰安プログラムはあくまでクルーのメンタルケアとストレス解消が目的。
であるからお互い合意の上でなければならないのが絶対ルール。無理やり襲うような行為が発生したら本末転倒であり、艦内の秩序が崩壊してしまう。
もし合意なしに強引な仕方で行われた場合には懲罰は免れられない。うわさでは無理矢理ヤッたら女にされて男に戻ることは許されず徹底的にいたぶられるとかなんとか。
「まあ、基本的にはみんな紳士的に誘ってくるから安心しろって」
「それはわかっているが……」
一つの宇宙戦艦にいるというのは皆がある種の運命共同体でありチームだ。
この艦船はかなりデカいが、自動化も相まってクルーはざっと100人程度。だからお互いの事をどこの誰かは大体知っている。そして皆がよくできた人間であるのも知っている。
なにせこの艦の艦長がよくできた人だから。良くできた上官の下では良い部下が育つ、とは言ったものだ。
「紳士的だけどテンション上がればそれなりに獣にはなるけどねぇ、テツヒデみたいに」
「……お前だって女豹になってただろ」
とはいえ男だからね、中身がよく知る男の悪友だとはわかっていても外側は美女であることに変わりはなく、つまりのところ……こいつを相手に結構むさぼってしまったわけで。
しかし当の相手であるヨシテル自身も行為の時は見るからにテンション上がっていたのであり、俺はたっぷり吸われてしまったわけでして。
……うん、エロかったなぁこいつ。
「まあまあ、この体の特性ってところかな? 男のハートで女のボディを知っちゃったら、つい夢中になっちゃってねぇ」
「……大丈夫だろうか、俺」
男の俺が一生知るはずのなかった女の体を知ってしまう、つまりあの時のこいつみたいに夢中になって……
中毒的になったらどうしよう。大丈夫かな?
「心配かな? だったら初回はオレがサポートするのどうよ? とりあえず3Pが4Pにしてみるか?」
「はぁ!?」
なんかいきなり過激な提案が出てきた。
いや3Pだの4Pだのって……要するにアレだろ!?
「お、お前なっ! いきなりそんなハードなことできるかっ!!」
「いやいや、オレがお手本見せながらやるって話だよぉ。それに大人数の方が盛り上がるしぃ、一気にストレス発散できて効率的だぞ?」
「効率の問題じゃねえよ! 誰が初回からそんな乱痴気騒ぎに応じるかっ!!」
「だったらオレだけ相手がいい? 二人きりの百合プレってことでさぁ」
「わひゃっ!?」
いきなり背後から胸揉まれた。そのせいで変な声が出てしまった。
「冗談も大概にしろっ!」
「あだっ!?」
ヨシテルの頭上に拳を落としてやった。「鉄拳制裁反対っ!」なんて抗議しているが、お前のせいだ。
くそう、ただ一度胸を揉まれただけで体が反応しやがった。なんか下が濡れちゃったじゃないか……尿漏れパッドつけておいてよかった。
女の体って、やっぱまだわかんねーや。気を付けないとちょっとしたことで大変な事になりそうだ。
「なんだか賑やかなようだねぇ」
「はっっ!」
「か、艦長っ!!」
ヨシテルのセクハラまがいの絡みなんて相手していたら、上官の接近に気がつくのが遅れてしまっていた。
とっさに姿勢を正し、敬礼をする。ここにやって来たのは多分通りすがりの、この宇宙戦艦機龍Ⅲの最高責任者、リョウメイ艦長であった。
「楽にしていい。非番の通路でそこまで固くならなくていいさ」
穏やかで、しかしどこか芯のある落ち着いた声。その声と共に、優しげな微笑みが俺たちに向けられる。
リョウメイ艦長。この機龍Ⅲを束ねるトップであり、数々のバグズ討伐作戦匂いても手腕を発揮した歴戦の指揮官だ。
的確な判断力と強靭な精神力を持ちながら決して驕ることなく、末端のクルー一人一人への気遣いを忘れない。
その見事な手腕と懐の深さからクルー全員からの信頼は非常に厚い。まさに理想の上司であり、尊敬すべき人格者である。
なのだが……現在、俺の目の前で微笑んでいるリョウメイ艦長は、どこからどう見ても大人の色気あふれる絶世の美女であった。
男だった頃の艦長は年相応の風格と整えられた髭が印象的で、強さと優しさを兼ねそろえた様な眼光、そして鍛えられた体躯に、上官らしい知性を感じさせるたたずまいと、まさに軍人らしい見た目の人物だった。
が、今の姿にその面影は内面から滲み出る威厳を除いて微塵もない。
ウェーブのかかったショートヘア、知性を感じさせる切れ長の瞳には妖艶な光が宿っている。
そして何より目を引くのが、その圧倒的なプロポーション。
俺やヨシテルが着ているのと同じ、露出過多なTS慰安プログラム用制服。
それを艦長もまた着用しているのだが、なんというか……格の違いを見せつけられているような。
破壊力ある胸部装甲は俺のそれよりもはるかに大きく、スイカでも抱えているかのような存在感。
それでいて背筋はピンと伸び、歩くたびにサイドスリットから覗く脚のラインは非常に肉付きがよく美しい。
ただ立っているだけで大人の女性特有の魅惑と、上官としての威厳が入り混じった強烈なオーラを放っていた。
「ふむ、テツヒデ少尉も今日から慰安プログラムの当番か……初めての体でまだ戸惑いもあるだろうが、美人になったじゃないか。よく似合っているぞ」
「は、はっ! ありがとうございます……」
上官に「美人になった」と褒められるこの状況、軍隊としてどうなんだと困惑してしまう。
それ以前に別に女になったこと自体は嬉しくもないし、美人と褒められても嬉しいわけないしどう反応していいか迷うし……とりあえず上官から誉められたから感謝しているけど。
そもそも、なぜ艦の最高責任者である艦長までが女になっているのか。
これには軍部がTS慰安プログラムを導入する際に設けた相応のルールが関係している。
それは……TS慰安プログラムは艦の全クルーを対象とし階級や立場のいかんを問わず例外なく実施する、としているから。
なぜかというと、下っ端だけを女にして上官が立場を利用して優位的な権力の乱用を防ぐための措置だ。
もし下位クルーだけが女になり、上官が男のままだった場合どうなるか。上官に逆らえず命令ひとつで強制的な行為、いわゆるパワーハラスメントまたはセクハラへと直結してしまう。
なにせ軍だからね。絶対的な階級社会において性的な問題が絡めば組織はあっという間に腐敗し、崩壊する。
それを防ぐため上官も率先して女になり、体を差し出す側を経験しなければならない、という理屈。
上官自らが女の体となり部下たちと同じ目線、あるいはベッドの上においては逆の立場となることで階級の壁を越えた相互理解と上下関係を作らない環境を構築し、強圧的なハラスメントを未然に防ぐという目的がある。
……言葉にすると立派な理念だが、よくよく考えたら中身男またはおっさん同士で女体化してヤり合うのだから、やっぱりこのプログラムを考えた上層部はちょっと狂っていると思う。
もう滅茶苦茶な運用にしか見えないが、その理念自体はしっかりと機能していた。
実際、リョウメイ艦長も率先してプログラムに参加することで部下との仲を劇的に縮めることに成功しているし。
艦長がこの制度を活用しているおかげで艦内の風通しは驚くほど良くなったのだ、と思う。
ただ……
「失礼ですが、艦長」
「何だね、テツヒデ少尉」
「……もうだいぶ長く、女のままでいませんか?」
気になっていたので思わず聞いてしまった。隣でヨシテルが「え? お前それ聞いちゃうの?」という顔をしている。
だってねぇ、やっぱ気になるじゃん。
通常、このプログラムのローテーションは精神的な均衡を保つためにも大体2-3週間程度で元の男の体に戻る規定になっている。
実際今日俺も女になったが、数週間後には男に戻る予定だしヨシテルもあと数日で男に戻る予定。
ちなみに前述の「上司によるパワハラセクハラ」を極力防ぐため、上官になるほど女である期間は長めになっている。
しかしリョウメイ艦長は違った。このプログラムが導入され、初回実施のタイミングとほぼ同時に女になってからというもの……艦長は、もう数ヶ月程度ずっと女のままなのだ。
普通ならとっくに男に戻っているはずの期間を大幅に過ぎている。いくら最高責任者とはいえ、ルールの範囲を超えていないか? ってのが気になった次第であり……
「ふふ、心配してくれているのかな? 安心したまえ、別にトラブルはない。少々延長しているだけだ」
「延長、ですか?」
「ああ、なにせ女のままの方がクルー達との絆を深められるのでね」
「絆……」
「厳しい宇宙での任務においてクルーの心のケアは私の最優先事項だ。艦長である私がこの姿でいることで皆が少しでも安らぎを得て日々のストレスを解消できるのなら、これほど指揮官冥利に尽きることはないのでね。部下たちと肌を重ね距離を近づけられるのだから実に効果的なのだよ」
「…………」
なるほど、実に興味深い。部下思いの素晴らしい上官の鑑である。
……が、実際のところはどうなのでしょうねぇ。
部下たちとの絆を深める……のは上官として大切だとは思うのですが、その名目でほぼ毎日クルーの誰かと夜の個室で濃厚なコミュニケーションをとっているんですよねぇ。
実際、数日前に俺もお世話になりましたので。
艦長直々に「どうかね? 」って誘われちゃったらビックリしますよ。そして色々緊張しますよね?
そして艦長室に足を踏み入れ、そしたらそこにいたのは薄っすい生地のスケスケなネグリジェに身を包んだ艦長でして。
普段の制服とは違う魅惑があふれてて、艦長のすごいボディが隠すつもりないレベルで、大変すごかったです。
そして緊張しつつ入室した俺を艦長はそっと優しく抱き寄せて、ベッドに導き、腰を下ろし、そして肌をあらわにして……授乳を初めました。
ええ、授乳です。艦長のデカい胸、ミルクが出るのですよ。ガッツリ飲まされましたよ、ビックリですよ。
あの時の艦長の表情ときたらまあ……なんて慈愛に満ちた素敵なお顔だったのでしょう。
しかも「ほーらおっぱいでちゅよぉ」なんて赤ちゃん言葉使ってくるし。
抱き寄せられてスイカ超えサイズのおっぱい顔面に押し付けられて、そんなこと言われるものだからどう反応すればいいのかものすごく困惑しまして。
要するに艦長はそういうことしているのです。ママムーブかましているのですよクルーに。それでいいのか、と。
そりゃ確かにTS慰安プログラムで上官自ら実施して上下関係なくすのはわかるけど、これ逆セクハラじゃね? 羞恥プレイじゃね?
あの時は俺も赤ちゃん扱いされてめっちゃ恥ずかしかったし。なおテツヒデも既に経験しておりすごく恥ずかしかったと。
ちなみに赤ちゃん授乳プレイの翌日、当の艦長はけろっとして平然と勇ましく任に当たっていて、本当に昨日のアレは艦長だったのか? と疑うレベルで別人に見えて。
そんな人の下で任務にあたる俺がいるのだが、どんな顔して艦長と接すればいいか困惑してまして。
無論その意見は俺だけでなく他クルー内にも見られていて「あれどうすりゃいいの?」って困惑気味。
要するに先ほどの俺の質問「いつまで女になっているんです?」ってのは遠回しに「お願いですからもう戻ってください恥ずかしさで死にそうなんです勘弁してください」って言ってまして。
しかしその一方で妙に熱心なファンができちゃったりもしているんだなぁこれが。
艦長の超乳とミルクと母性にすっかり魅了されて一部から「ビッグママ最高!」「お母さんって呼んでもいいかな?」「養子にしてくださいっ!」などとトチ狂った声がありまして。
この前なんてとあるクルーが「マm……艦長!」なんて言い間違えそうになっていたのをしっかり耳に目にしまして。
やばくね? この艦内。TS慰安プログラムって本当にケアになっているんですかねぇ?
などと俺が内心で激しいツッコミと困惑を繰り広げていた時だった。
ビーツ『バグズの存在を検知、本艦はこれより検出ポイントへの航行に切り替える』
スピーカーから流れる無機質な艦内アナウンス。その放送が耳に入った瞬間、さっきまで慈愛に満ちたビッグママの表情から艦長の顔に変わる。
優しげだった瞳には鋭い眼光が宿り、一瞬にして数々の修羅場を潜り抜けてきた絶対的指揮官としての威厳が全身から溢れ出す。
「む……諸君らも速やかに指定の配置につけ」
「「はっっ!!」」
艦長の一括に、俺とヨシテルは反射的に姿勢を正してビシッと敬礼を返した。
艦長は小さく頷くと、こちらの返事を確認して風を切るように艦首の第一ブリッジへと移動を開始する。
颯爽と去っていく艦長の後ろ姿。去り行く姿は実に凛々しく、軍人としての勇ましさを感じさせる……はずなのだが。
なにせ勢いよく振り返ったせいでスイカップの胸がばるんっ! って音立てたかのようにしてめっちゃ揺れたし、丈の短い制服の後ろがばさぁ! とめくれまして。
見事なボリュームの尻があらわになりました。ええ、Tバックだったのでそれはもうしっかりと。
そして左右の足を進める動きに合わせて豊満で豊かな尻が右へ左へゆっさゆっさと激しく揺れているわけで。
頼もしい指揮官の後ろ姿のはずなのに、ちょいと目の毒すぎる安産なお尻がありまして。
「……相変わらずすげえギャップだなおい」
「威厳があるんだかエロいんだか分からんねぇ」
そのあたりはヨシテルと同意見だった。
「……とにかく俺たちも行くぞ!」
「おう!」
前例からしてポイントまでの移動へはまだ時間はかかるだろう。とはいえいつでも奴らを駆逐できるよう準備しなければならない。
俺も気合を入れ直して自身の担当部署へと走り出す。
それと同時に胸の二つの巨大な膨らみが上下に猛烈にバウンドし、ズシリとした重みが肩と背中に響いてビクッとなった。
……そうだった、俺は今、女でした。
心意気は変わってないが、体感は変わっている。
妙なギャップに戸惑いつつも奴らを駆逐するため、この戦艦のクルーとして戦いに進み出たのであった。
……そして無事バグズ共の駆逐に成功し、戦闘によってたぎっていたクルーを相手に俺のTS慰安な任務が始まったのだった。
ええまあ、ヨシテルのサポート付きでの4Pでした。すごかったです。