国際女性デーに思う見落とされがちな女性の人権のこと
国際女性デーとは
2025年3月8日は国際女性デーです。国際女性デーとは、1977年に国連が女性の地位向上やジェンダー平等の実現を求めて定めたものです。2025年のテーマは 「すべての女性と少女のために:権利、平等、エンパワーメントを」とされています。
世界各地では、この日にちなんでさまざまなイベントや啓発活動が行われています。
出張先のホテルで思ったこと
ところで、話は変わりますが、私は出張でよくビジネスホテルを使います。最近のビジネスホテルには、大浴場や温泉が付いているところが増えてきました。
ひと昔前は、ビジネスホテルといえば、ただ泊まるところというイメージが強かったものですが、今では豪華な朝食自慢のホテルがあったり、ベッドマットや枕の素材にこだわったり、そして今述べたようなくつろげる温浴施設を併設したりというように、サービスを競うところが増えてきました。これは私のように出張の多い者にとっては、とてもありがたいことです。
そして今日も、ビジネスホテルで温泉に入りました。そして、ちょうど脱衣場で着替えているとき、脱衣場の清掃のため、女性のスタッフが入ってきたのです。もちろん脱衣場ですから、ほかにも裸の男性がたくさんいます。
女性の方はご存知ないでしょうが、これはビジネスホテルの男性浴場ではよくある光景です。温泉旅館のような大規模な施設であれば、男性浴場の清掃のスタッフは男性というところもありますが、それでもやはり女性の場合もあります。
ビジネスホテルの場合は、従業員もさほど多くなく、清掃スタッフをたくさん雇用するゆとりがないのかもしれません。
しかし、これを「よくある光景」として放置しておいてよいのか、私は今日が「国際女性デー」であることを思いつつ、とても複雑な気持ちになりました。
何が問題か
もし、これが逆であったならどうでしょう。女性の浴場に男性スタッフが清掃に入ったら、たとえそれが業務であったとしても、一瞬にして大騒ぎになり、そのスタッフは通報されてしまうかもしれません。
では、なぜ女性が裸の男性ばかりの場に入ることは。「よくある光景」として誰も問題視しないのでしょうか?
私は、女性にそうした業務をさせることは、人権侵害ではないかと思います。ご本人も、心なしかつらそうに申し訳なさそうに仕事をされているように見えます。
そして、そのような業務をされているのは、ほぼ100%ある程度年配の女性です。年配の女性であれば、もう女性扱いしなくてもよいというような、一種の差別的な判断がその背後に透けてみえます。
また、なかにはわざと女性スタッフにこれみよがしに裸体を晒したり、卑猥な言葉をかけたりする男性客がいるかもしれません。もしこのようなことがあれば、それは明白な犯罪ですし、多くの裸の男性に囲まれて毎日仕事をする女性は、このような被害を負うリスクと隣り合わせと言っても過言ではないでしょう。
また、男性のほうとしても、あまり気持ちのよいものではありません。男性であっても、見ず知らずの異性に裸体を見られることには抵抗があります。だとすると、男性に対する人権侵害でもあるようにも思えます。
すべての女性の権利を守るために
ホテルに雇用されている以上、特にある程度の年齢の方であれば、解雇を恐れて嫌な業務であっても声を上げることができにくいことは容易に想像できます。
もちろん、ホテル側にも人手不足という事情もあるでしょう。男性・女性2人の浴室清掃スタッフを雇用するよりも、女性一人ですめばそのほうが効率的でしょう(男性一人というのは無理ですから)。
とはいえ、やはりこうした状況を「ありふれた光景」にしておいてよいものでしょうか?インバウンド客も爆発的に増加している今、国際的に見れば、これは常識とはかけ離れた光景のように思えます。さらにいえば、浴室だけでなく、駅や商業施設などの男性トイレを清掃しているのも、ほとんどが女性です。
女性の人権問題については、残念ながら男性は鈍感で、女性のほうが気づくことが多いのが実情です。そして、声を上げるのもほとんどが女性です。
しかし、女性が気づくことが難しい女性の人権問題もあるということに気づかされた女性人権デーでの出来事でした。