ユーモラス、かつ鋭く世相を切る、産経新聞朝刊の1面コラムです。論説委員が執筆し、現代人が失いかけている日本の心を伝えます。
<産経抄>ナイターが当たり前の景色に、暑さ対策の高校野球
記念日にまつわるカレンダーの中に、「ナイター記念日」なるものを見つけた。8月17日だという。ナイターは「ナイトゲーム」を縮めた和製英語である。戦後のプロ野球で初めて夜間試合が行われたのが、昭和23年…
<産経抄>横浜市長のパワハラ認定
右と左。マナーの世界では、どちらが上位かがよく問題になる。日本は「左上位」、西洋は「右上位」だ。太政官制の左大臣、右大臣が分かりやすい。名誉職の場合もあった太政大臣を除けば、左大臣は国政を担う最高職…
<産経抄>「戻らない」が避難の合言葉なのに「戻れ」と指示され爆発事故で死亡した従業員
火災報知機メーカーのホーチキが昨年3月、避難の際の合言葉に焦点を当てた調査結果を発表した。全国47都道府県の15~69歳の男女940人を対象に実施した ▼東北地方のご当地合言葉「津波てんでんこ」は、…
<産経抄>パンダのしっぽは白か黒か 習近平主席も記憶汚染されている?
パンダのしっぽの色は白か黒か。これが結構、難問なのである。メディアでつくられた先入観にどっぷり浸(つ)かったわが脳は、しっかり間違えてしまった。東京・渋谷のBEAMギャラリーで開かれている「記憶汚染…
<産経抄>熊本を悩ます寝苦しい夜、政府の支援は届き始めているけれど
各月の1日は「朔日(さくじつ)」ともいう。特に旧暦の8月1日は「八朔(はっさく)」と呼ばれ、お世話になった人への贈答のならわしがあった。その由来が変わっている。八朔には「田の実の節句」という別名があ…
<産経抄>スパイ天国日本を卒業しよう
日本はロシアに、とことんなめられているらしい。米紙ニューヨーク・タイムズが先月、日本が西側諸国から追放されたロシア人スパイの活動拠点になっており、対外情報機関すら存在しない「スパイ天国」だと報じたと…
<産経抄>首相に示してほしい未来像、飲食料品の消費税「2年間実質ゼロ」へ
ハトやら何やらをどこからともなく取り出して驚かす手練(てだ)れが、芸能の世界にはごまんといるらしい。放送作家の高田文夫さんに、ことわざのパロディーがある。<むかうところ手品師>。著書『ご笑納下さい』…
<産経抄>命守る行動を、熊本でふたたび震度7
「けしからぬ地震ではござらぬか…いまだに止(や)まぬあの震動」「年代記で見るのみにて、眼前出逢(であ)ふは今が初めて」―。歌舞伎『桃山譚(ものがたり)』の一場面である。描かれたのは、近畿一円を揺らし…
<産経抄>ファン残し早すぎる旅立ち、ミステリー作家の東野圭吾さん逝く
トリックを成立させるために人を殺(あや)める。それが文学といえるのか―。長く直木賞の選考委員を務めた作家の渡辺淳一さんは、ミステリー小説に対し絶えず疑念を突きつけてきた。その壁に泣かされた一人が東野圭…
<産経抄>二人のファーストドーター
林真理子さんの小紙連載小説「ファースト・ドーター、アンド…」が、面白い。主人公の麻生和子は父親の吉田茂の首相就任に猛反対してきた。今後は「ファーストドーター」としての大活躍が始まる ▼28日南米ペル…
<産経抄>子供は家で勉強しない? 夏休みに考える学び
学校は夏休みで子供たちはゲームばかりしていないだろうか。小欄も子供の頃は宿題を後回しに遊んでばかりいたので、偉そうには言えないが最近、教育をめぐる気がかりな調査結果が出ていた ▼子供たちの学校外の学…
<産経抄>「土用の丑」彩る完全養殖のウナギ
将棋の大山康晴十五世名人は、タイトル戦に出ると人の倍ほど食べた。対局の前夜祭に逸話がある。関係者がそろう中で料理をたいらげると、おかわりのステーキも胃に流し込み、こううそぶいた。「明日の朝はうなぎが…
<産経抄>核の議論避ける自民も日本の現状も情けない
普通、政策提言ではまず党側が実現するにはハードルが高めの内容を主張し、政府側がそれを一部取り込みながら落としどころの政策へと具体化していくものだが、あの時は違った。自民党が6月に高市早苗首相に提出し…
<産経抄>厳しい夏に天然のクーラー、猛暑日知らずの千葉・勝浦
風土として、わが国には夏のバカンス(長期休暇)という文化が育ちにくかったらしい。<米國(こめぐに)の上々吉の暑さかな>と一茶の句にあるように、梅雨が明ければ農家は田んぼの手入れに忙しい。炎天の下に稲…
<産経抄>アナログ決済を見直すとき? 全東信の破産
かつて、家電製品の安売りで有名な城南電機という会社があった。亡き社長の宮路年雄さんは型破りな人で、商談や仕入れにはアタッシェケースに現金を詰め込み持ち歩いていた。常に3千万~4千万円は入っていたそう…
<産経抄>狙われた現代の「氷室」、ニチレイにサイバー攻撃
氷を人工的に作れるようになったのは、わが国では明治以降である。それまでは天然の氷を貯蔵して使ったわけだが、その歴史は存外古い。冬の池に張った氷を切り出し、あるいは雪を押し固め、「氷室(ひむろ)」と呼ば…
<産経抄>ウクライナの喧嘩両成敗
ケンカした両者に対して、その正否を論ぜず同等の処罰を与える。喧嘩(けんか)両成敗(りょうせいばい)は室町時代に生まれた。現代においても家庭内の兄弟ゲンカから政治家同士の争いまで、解決法として重宝され…
<産経抄>W杯で躍進のカボベルデ…実は中国と深い関係
サッカーのワールドカップ(W杯)決勝トーナメントに進出した西アフリカ沖の島国カボベルデは、アフリカ進出著しい中国とも実は深い関係を持っている。国内の国立競技場は13年前、中国マネーで建設された ▼駐…
<産経抄>スーパーエルニーニョと「海の日」
夏の歳時記に心ひかれる一句がある。<遠泳や海動かすはわれらのみ>宮田勝。「遠泳」という季語のおおらかな響きがいい。たった一語で大海原を抱き寄せる観があり、スケールの大きさを覚える。躍動感に満ちた秀吟…