熊本県嘉島町の「イオンモール熊本」で、地震のあとの爆発に巻き込まれて亡くなった、30代の女性従業員の兄がNHKの取材に応じ、「今まで当たり前にいた存在が急にいなくなってしまい、全く意識をしていない時に悲しみが襲ってきます」などと胸の内を明かしました。
熊本県嘉島町のショッピングセンター「イオンモール熊本」では、地震のおよそ1時間20分後の午後5時50分ごろに大きな爆発が起き、テナントの従業員7人が死亡しました。
このうち、2階にあるアパレルショップで働いていて亡くなった、30代の女性の兄がNHKの取材に応じました。
女性の兄や勤務先の企業によりますと、女性は、地震のあとに一時、建物の外に避難しましたが、その後、何らかの理由で戻った際に、爆発に巻き込まれたということです。
女性は、兄や両親と同居していて、地震の直後に父親と電話をした時には、「商品が倒れているから、たぶん、片づけて帰らないといけない。いつも通りの時間に帰宅する」などと話したといいます。
しかし、爆発が起きたことを知り、兄や両親は、女性のスマートフォンに何度も電話をかけましたが連絡がつかなくなり、翌日、警察から亡くなっていたことを知らされました。
その後現場の捜索で女性のスマートフォンが発見されました。
見つかったのは、本人確認のために家族が警察署で女性と対面していた時間帯だったということで、最後の力を振り絞って家族に届けたように感じたといいます。
スマートフォンには多くの不在着信の履歴や女性を心配するメッセージが届いていました。
女性の兄は「今まで当たり前にいた存在が急にいなくなってしまい、頭では理解しようとしているのですが、妹が海外旅行にでも行っているような気がしています。全く意識をしていない時に悲しみが襲ってきます」と話していました。
女性の部屋には、人気漫画のフィギュアが大切に飾られていて、葬儀では、ひつぎに入れて送り出したということです。
また、女性は、日頃からネイルを自分で作っていて、亡くなった時につけていたものは遺品として残しました。
葬儀の時に母親が、「旅行に行くでしょ」とか、「起きなさい。コーヒー飲むでしょ」と声をかける姿を見て、命が奪われた現実を痛感したといいます。
一方で、女性がなぜ、一度避難したあとに再び建物の中に戻ったのかわかっておらず、イオンや女性の勤務先の企業が当時、どのような対応をとっていたのかなど、丁寧に調査するよう求めています。
兄は「最後まで職務を全うして亡くなったと思っているので、ルールを破って建物に戻ったと思われるのは心外です。妹の名誉のためにどのように亡くなったのかを知りたいです」と話しています。
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