2022年に沖縄署管内で、警察官の過失により当時高校生の男性が右目を失明した事件を巡り、沖縄県議会は13日の6月定例会最終本会議で、総額9138万円の損害賠償議案を可決した。可決を受け、代理人弁護士が14日、県庁記者クラブで会見し、男性のコメントを公表した。男性は、加害者の警察官に「責任を取らせることを強く要望する」として、県に対して、警察官個人に賠償金を支払わせる「求償権」を行使するよう求めた。
会見で、代理人の金高望弁護士は、県との協議でも求償権について「行使するとの約束を要望した」と話した。県側代理人が「求償権の範囲を検討する必要がある」などとして、協議条項に求償権行使を盛り込むことを受け入れなかったと説明した。その上で「加害警察官がした行為の悪質さや結果の重大さに照らせば、自ら民事上の責任を果たすべきだ」と訴えた。
男性はコメントで、事件発生当時からインターネット上で「暴走行為をしていた」「制止を振り切って逃走しようとした」などと男性を非難する書き込みが多数あることに触れ「事実と異なっている。誤った情報や臆測を元に、被害者の私を非難するのか。とても傷つけられている」と訴えた。金高弁護士は、誹謗中傷の書き込みについて、法的手続きも含めて「毅然として対処する」とした。
事件は、2022年1月に発生。当時、宮崎県警から県警に出向中だった男性警察官が、職務質問のためバイクを停止させようと差し出した警棒が男性の右目付近に当たり、男性は右目を失明するなどの重傷を負った。
同年11月、県警は故意性が問われる特別公務員暴行陵虐致傷容疑で警察官を那覇地検に書類送検。同地検は23年6月、送検容疑ではなく故意性が問われない業務上過失傷害罪で在宅起訴した。
那覇地裁は「警察官に課せられた基本的な注意義務に反する重大なもの」などとして、男性警察官の過失を認定して罰金100万円の支払いを命じた。男性はコメントで、警察官が罰金刑となったことについて「あまりに軽いと感じた」と心情を明かした。