なぜ「求刑7年」、元ジャンポケ斉藤の公刑で露呈した世間の誤解と「実刑」の必然

元ジャングルポケットの斉藤慎二被告

ロケバス車内で20代女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われているお笑いコンビ、ジャングルポケットの元メンバー、斉藤慎二被告(43)に対し、検察側が懲役7年を求刑した。これを受け、ネット上では刑期の長さを巡って議論が巻き起こっている。SNS上では「7年は重すぎる」「大ケガをさせたわけでもないのに」といった困惑の声が散見されるが、これは単に法改正を知らないというレベルの話ではない。性犯罪の本質や被害者の絶望に対する、あまりにも低い認識の表れというほかにない。

無罪主張の陰で2500万円示談…被害者の反発を招いた悪手

斉藤被告は2024年7月、ロケバス車内で20代女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われている。東京地裁で開かれた公判で、検察側が突きつけた求刑は懲役7年だった。

裁判で被告側は「好意を持たれていると思った」と一貫して無罪を主張してきた。一方で、被害女性に2500万円もの高額な示談金を提示していたことも明らかになっている。自分の理不尽な欲求で相手を傷つけておきながら、金で解決を図ろうとした、斉藤被告の姿勢が、被害者の強い怒りに火をつけたのは当然の流れといえるだろう。

法廷に立った被害女性は「人としての尊厳を踏みにじられた」と涙ながらに悲痛な訴えを口にした。元警視庁捜査一課刑事の佐藤誠氏も自身のXで「検察は悪質性をかなり高く評価している。自分の立場を勘違いして相手を傷つけたのだから、弁解の余地などない」と切って捨てている。

なぜ「求刑7年」なのか? 性暴力を厳罰化する社会的決意

ネット上で散見される「怪我もないのに7年は重い」という反応は、「身体的な傷がなければ大した犯罪ではない」という恐ろしい感覚の麻痺を物語っている。

2023年の刑法改正により、従来の「強制性交等罪」は「不同意性交等罪」(刑法177条)へと変わり、法定刑の下限が「懲役5年」へと引き上げられた。これは、「同意のない性的行為は、それ自体が人の尊厳を激しく破壊する重罪である」という社会的な合意がようやく形になった結果だ。

今の法律において「懲役5年」はあくまでスタートラインに過ぎない。ロケバスという密室で、タレントという立場に乗じて相手の尊厳をふみにじったとされる悪質さを考えれば、最低ラインに2年を上乗せした「求刑7年」は、性暴力の重さに鑑みればごく当然の求刑と言える。

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