消費税不正還付、追徴25億円の貿易会社も…福岡国税局管内が4割占める
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商品を輸出すると、仕入れ時に払った消費税が戻る輸出免税制度を悪用し、消費税を不正に還付させる事案が続発している。不正還付に関する全国の追徴税額は6月までの1年間で約111億円に上り、このうち福岡国税局管内では、福岡県内の貿易会社が重加算税を含む約25億円を追徴課税されたことが判明。還付申告は増えるとともに、不正な手口は多様化しており、国税当局が体制強化に乗り出している。(牛島康太)
生活用品を販売する福岡県内の貿易会社は、紙おむつなどを輸出するための仕入れ額と、輸出先の売上高をともに水増しして、虚偽の確定申告書を税務署に提出し、不正に消費税の還付を一部受けていた。
関係者によると、同社は2020年までの約4年間で、総額約19億3500万円の消費税を還付申告。悪質な仮装・
国税当局は、輸出先の税務当局に対して租税条約に基づいて情報交換を要請。その結果、貿易会社が持っていた輸出許可書に記載された内容と、輸出先の法人が所有していた輸入許可書の内容が異なっていたことが判明した。仕入れ先の個人や法人への調査も進め、売上高や仕入れ額が実際よりも過大であったことを確認したという。
また、福岡県内で雑貨の輸出を行う会社は国内の仕入れ先と協力。実態のない取引が記載された請求書を使って架空の仕入れを計上していた。輸出販売したと偽り、不正に還付金を受けようとして同国税局から昨年、重加算税を含め約2100万円を追徴課税された。
ほかに、輸出先の外国法人が実在していなかったり、実在しても取引実態があるよう口裏を合わせたりしている事例もある。外国人が経営する企業が自国の輸出先と協力しているケースもみられた。
全国で111億円、前年の3割
国税庁によると、消費税の還付申告を行った法人を対象に全国の国税当局が6月までの1年間に行った税務調査で、791件の不正還付があり、追徴税額は前年比約3倍の約111億円。このうち、福岡国税局管内が約4割を占め、この5年間で最高の約42億3600万円に上った。不正還付の件数は41件だった。
法人の還付申告件数も増え、20年度は16年度の1・3倍の約18万件に上り、不正還付も続発。19年10月に税率が10%に上がり、「うまみ」が増したことなどが背景にあるとみられる。
こうした状況を踏まえ、国税当局は体制強化を続けている。昨年7月には、福岡税務署など全国の11税務署に不正還付対策に特化した「消費税専門官」が設置された。今年7月には、博多税務署などにも同専門官が、福岡国税局では、局内外から独自に情報収集し、調査対象の検討などを行う専門部署が設けられた。
同国税局の担当者は「不正還付はうその申告による国庫金の詐取ともいえる行為で悪質性が高い。不正還付を許せば、税の公平性や信頼性が損なわれかねず、厳正に調査する」としている。