法人の実質的支配者把握、新法で届け出義務…マネロン対策や経済安保で未整備はG7で日本のみ
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政府は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や経済安全保障強化のため、法人の実質的支配者(BO)情報の届け出を義務付ける新法を制定する方針を固めた。国際社会ではBO情報の把握を求める声が強まっているが、先進7か国(G7)では日本のみ法制度が未整備だった。早ければ今年秋の臨時国会に法案を提出する。
新法では、非上場を含む全ての法人にBO情報を把握させ、法務局などの公的機関に届け出ることを義務付ける方針だ。捜査当局や関係省庁がBO情報を迅速に照会できるようにし、虚偽の届け出には罰則も検討する。
現在も法人の登記簿から代表取締役などは把握できるが、背後にいる株主などBOの把握は難しい。犯罪組織が資金の流れを見えにくくするため、実態のない法人を「隠れみの」にするケースもあり、こうした法人を実質的に支配する人物を特定する必要性が国際的に高まっている。日本では法務局が株式会社の「実質的支配者リスト」を保管する制度はあるものの、提出は任意だ。
法整備によりBOに関する情報を、「闇バイト」事件に関与する「匿名・流動型犯罪グループ(
英国やドイツなどG7各国は、法人に対してBOの名簿を作成し、政府機関に登録することなどを義務付けている。日米欧の金融・警察当局などでつくる「金融活動作業部会(FATF)」は2021年の対日審査で、法人の悪用防止などに関する法整備の遅れを指摘し、BO対策の強化を勧告した。
日本は28年夏頃に、次のFATFの審査を控えている。審査で評価が低下すると日本の金融機関への信用が落ち、取引が冷え込む懸念もある。このため、政府は早期に法整備を進め、法人の違法利用を防ぎたい考えだ。
◆ 法人の実質的支配者 =法人の意思決定を実質的に支配できる個人や団体を指す。法人の議決権の25%超を直接または間接に保有する場合や、出資・取引などの関係を通じて影響力を持つと認められる場合が該当する。BOはBeneficial Ownerの略。