ウリ信用組合に一部業務停止命令 顧客の預金着服などで 金融庁
金融庁は、札幌市のウリ信用組合に対して、元役員が顧客の預金を着服するなど複数の不祥事が起きていたにもかかわらず、長期間にわたり経営陣の主導で隠蔽していたなどとして、12日、新規顧客への貸し付けなど一部業務の停止命令を出しました。
金融庁の発表によりますと、札幌市のウリ信用組合では、元役員が20年以上前に顧客の預金およそ14億円を着服していたほか、ほかの職員も顧客の預金を着服するなど、4件の不祥事が確認されたということです。
さらに、経営陣が主導する形でこれらの不祥事を長期間にわたって隠蔽し、発覚を逃れようと金融庁の検査に対して多くの役職員が資料を破棄するなどの対応をとったとしています。
このため、金融庁は12日、経営管理や法令順守の態勢に重大な欠陥があったとして、ウリ信用組合に対し、7月14日から1か月間、新規の顧客への貸し付けと預金の受け入れを停止するよう命令を出しました。
また、経営責任の明確化や業務改善計画の提出を求めているほか、刑事告発も検討するとしています。
ウリ信用組合は札幌市に本店を置き、北海道や東北地方を営業エリアとしています。
金融庁は去年、反社会的勢力への多額の現金供与などが明らかになった福島県のいわき信用組合に対しても、一部業務の停止命令を出しています。
ウリ信用組合が会見「隠蔽体質が踏襲されてきた」
ウリ信用組合は札幌市内で会見を開き、金堅一 副理事長が「重く受け止めるとともに、組合員の皆さまと地域の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを役職員一同、心よりおわび申し上げます」と陳謝しました。
その上で、経営責任を明確化するためとして、理事長が12日付けで辞任したほか、隠蔽や虚偽報告に関わった役員は6月に開催予定の通常総代会で退任する予定だと発表しました。
また、第三者委員会を設置し、原因究明と再発防止策を検討するとともに、これまでの経営陣に対する役員報酬や退職金の返納を含めた民事上、刑事上の責任追及を検討するとしています。
金 副理事長は「組織的な隠蔽体質があった。法令などを軽視する隠蔽体質が踏襲されてきたことで、ガバナンス態勢の崩壊に至ったと捉えている。経営管理態勢をいちから再構築し、法令順守態勢を整えてまいります」と述べました。