「教科書の読み直し」は時間の無駄!? 最新研究でわかった“本当に記憶が定着する”勉強法

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読み直し・一夜漬けはもう卒業! 科学が証明した記憶術

「うちの子は何時間も勉強しているのに、なぜ成績が上がらないの?」その理由は、勉強時間ではなく「勉強のやり方」にあるかもしれません。
最新の脳科学・認知心理学では、「読み直す」「一夜漬け」「同じ問題を繰り返す」といった定番の勉強法よりも、はるかに効率よく記憶を定着させる方法が明らかになっています。

そこで今回は、スタンフォード大学オンライン高校の校長・星友啓さんが、最新の研究に基づき、記憶力・集中力・理解力・思考力を高める100の勉強法をわかりやすく解説した書籍『スタンフォード大学オンライン高校の校長が教える 世界の研究に基づいた 勉強法大全』(KADOKAWA)から一部抜粋。

子どもから大人まで今日から実践できる、「脳が本当に覚える勉強法」を紹介します。

教科書を「読み直す」のは時間の無駄?《リトリーバル》

テスト前日、教科書に何色ものマーカーを引き、きれいにまとめたノートを何度も読み返す。翌日、「これで5 回目だ、完璧に覚えたはず」と自信満々でテストに挑むものの、いざ答案用紙を前にすると、「あれ、なんだっけ……喉まで出かかっているのに!」と頭が真っ白になる。

実は、教科書の「読み直し」は最も時間対効果が低くなりがちな勉強法の一つなのです。(※1) それは、情報を入れる作業にばかり時間を使い、脳が記憶を定着させるための「保存ボタン」を押していないからです。

「なんだっけ?」で脳の回路が太くなる

その保存ボタンとは、「リトリーバル(Retrieval:思い出すこと)」です。
多くの人は「覚える=頭に入れる」だと思っていますが、脳の仕組みは逆です。記憶はノートを読んだりして、頭に情報を入れている時ではなく、「えーっと、なんだっけ?」と苦労して頭から引っ張り出そうとしている時に、脳回路に深く刻み込まれます。

記憶を思い出す時、脳内にある「シナプス」という神経のつなぎ目は、一時的に不安定な状態になります。記憶はもともと、このつなぎ目同士が手をつなぐようにして保存されていますが、思い出すことでその結びつきが一度「ほぐれる」のです。

このつながりが一度ほぐれると、脳は「この情報は重要だから、より強く、より取り出しやすい状態で保存し直そう」と働き、新しいタンパク質を作って記憶をアップデート(上書き保存)します。(※2)

ちょうどいい負荷が記憶を定着

単に教科書を読み直すだけの時、脳は「ああ、これ知ってる」と情報をスルーしてしまい、この「記憶のアップデート(再固定化)」が十分に起きません。

しかし、本を閉じて「自分の頭だけで思い出す」というちょうどいい「筋トレ」を脳に与えると、脳は必死になって、神経回路をより強くつなぎ直そうとします。思い出せそうで思い出せない苦しさこそが、脳の筋肉がパンプアップされている瞬間なのです。

【実践ステップ】
[1] テキストやノートなど、今学んだものをいったん閉じる。
[2] 学んだことを自分の頭だけで「えーっと、なんだっけ」と思い出してみる。
[3] 思い出せなかった部分だけを重点的に復習。


【アドバイス】
電車の中など、書くものがない時でも「今日の授業で先生が言った中で、一番重要なことは?」と心の中で問うだけで効果があります。スマホを見る時間を5分削り、「脳内クイズ大会」を開催するだけで、定着率は劇的に変わるのです。

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