鉄筋コンクリートの工学的耐用年数は、80年である。
これを超えるとアルカリ性骨材の中性化やアルカリ骨材反応など物性的な破綻が始まる。
但し、非常にお金と時間がかかるが、定期的な鉄筋コンクリートそのものの点検と修繕を行えば、100年を超えて耐用する。
原子炉の寿命もこの鉄筋コンクリートの寿命が上限であり、構造体が建造されて80年が上限である。これは、放射線が邪魔をして鉄筋コンクリートそのものの修繕が困難を極める為である。
但し、カナダのCANDUのように10年を超える計画停止で根本的な修繕と改良を行う場合は、条件が緩和される。
実は、40年ほど昔に合衆国で軽水炉の寿命延長が論じられた時、80年までは持つが、それ以上は、原子炉容器と原子炉格納容器・原子炉建家の新品との交換が必要とされた。
合衆国では、70年代後半以降、建設中断した原子炉を大切に保管している例が結構あり、TVAのワッツバー2号炉は、40年の建設期間で2016年に運開した。この原子炉の実用寿命がいつまでかにはたいへんに関心が持たれる。
なお、ワッツバー2号炉は、DOE(エネルギー省)からの受託で核兵器用のトリチウム生産も受け持っており、専用のリチウム照射体が装荷されている。これは、同じくトリチウム生産を行っているワッツバー1号炉を引き継ぐものであり、事例としてはかなり特殊である。