認知症を患う複数の高齢入院患者を虐待したとして、暴行や傷害罪に問われた元看護助手の男(23)が7月、大阪地裁で有罪判決を受けた。男は患者の反応を面白がり、撮影した動画を同僚と共有。ストレス発散のはけ口にしていたが、病院側は問題を公表していなかった。
男は大阪市生野区にある「優心会厚生病院」の元看護助手。判決によると、令和6年3月~7年5月、70代の入院患者の右手小指を計量カップの熱湯に漬けたり、左の手のひらを食事配膳用の鉄製ヒーター・パッドに押し付けたりし、いずれも約2週間のやけどを負わせた。
別の70代の患者には棒のような物で腹を複数回突き、頭や右足のすねを複数回たたいた。さらに同僚と共謀し、お茶の入ったカップを顔に投げつけた。90代の患者には頭から段ボールをかぶせた状態でたたいた上、押して転倒させた。
前の職場でも…常習的暴行
公判で明らかになったのは常習性だ。男は以前の勤務先でも抵抗できない患者をたたくなどしていた。患者にアルコールを吹きかけ退職に追い込まれたにもかかわらず、優心会厚生病院で働き出した5年7月ごろ以降も虐待を継続していた。
7月14日の判決で鈴木真理子裁判官は虐待の動機を「うっぷん晴らし」と認定した上で「身勝手で醜悪。酌量の余地はない」と指弾。一方、被告が今後医療職に就かないと述べたことなどを考慮し、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。被告は控訴せず判決が確定した。