普通、政策提言ではまず党側が実現するにはハードルが高めの内容を主張し、政府側がそれを一部取り込みながら落としどころの政策へと具体化していくものだが、あの時は違った。自民党が6月に高市早苗首相に提出した「安保3文書」は、首相にとってはさぞや拍子抜けだったのだろう。
▼「あまりの内容の開きに呆然(ぼうぜん)」。首相は6日の国会で、自民と日本維新の会のそれぞれの提言の隔たりにぼやいた。維新提言は非核三原則のうち「持たず」「作らず」は堅持しつつも、「持ち込ませず」については「現実的検討を行うべきだ」と訴える。
▼一方で、自民提言は世論の反発を恐れてか非核三原則に触れなかった。非核三原則の見直しが持論で、令和4年に岸田文雄政権が安保3文書を作った際も「せめて『持ち込ませず』は外すべきだ」と訴えた首相にとり、自民と維新の提言のどちらが意に沿うものかは想像に難くない。