はてな、振り込め詐欺被害で11億円の資金流出 調査報告書から「偽警察詐欺」の一部始終明らかに
「はてなブログ」「はてなブックマーク」の運営で知られる株式会社はてなは24日、2026年4月に公表した資金流出事案に関し、特別調査委員会の調査報告書(開示版)を公表。11億7900万円規模の振り込め詐欺被害についての詳しい調査結果が明らかになった。 【画像】「許欺グループとの最初の接触」「最初の不正送金」など時系列でのやり取り履歴の一部(全文PDFリンクあり)(全4枚) 同社は4月24日付で不正な送金指示に起因する資金流出事案の発生を公表しており、7月17日付で特別調査委員会から調査報告書を受領。開示版では機密情報保護の観点から部分的な非開示措置を施したものとなる。 報告書は60ページ超にわたるが調査委員会の調査結果(要旨)によると、同社の従業員が警察関係者を名乗る詐欺グループにより捜査協力の一環と信じ込まされたことが、多額の会社資金流出を招いた原因と認定された。 報告書では初めての詐欺グループとの接触から資金移動の実行までの動きなどが細かく記載されており、社内チャットでの「給与出金の準備にあたり、Y 銀行に X 銀行から資金移動3億円おこないたいのですが、本日移動してよろしいでしょうか」「本日付けで、X銀行からY銀行へ資金移動1億円を作成してください」などの記録が多数残っていた。 背景として、当該従業員が「捜査協力」を優先し、振込及び資金移動に関する通常の業務フローや情報セキュリティに関する会社のルールを遵守しなかったこと、オンラインバンキングの権限設定や経理体制の整備に問題があったことが指摘されている。 事案発生以降は出金手続きについての決裁権限の見直し及び厳格化、出金実行環境のセキュリティ強化等を直ちに実施、発生原因の根絶に向けた取り組みを継続しているという。なお、個人情報や顧客情報等が外部に持ち出された形跡は確認されていないとしている。 本発表に際し、同社は対象役員による役員報酬の一部自主返上の申出があったことも明らかにした。 代表取締役社長の栗栖義臣氏と取締役コーポレート本部長の田中慎樹氏が、それぞれ月額報酬の20%を6ヶ月間自主返上する。なお、田中氏は次回の株主総会での任期満了をもって取締役を退任する意向を示しているという。
経済/社会担当 ※本記事は「オタク総研(0115765.com)」で掲載された内容の二次配信です