日本国旗を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」創設法が成立したことを受け、全国の憲法学者200人が4日、抗議声明を発表した。憲法が保障する「表現の自由」や「思想・信条の自由」の侵害につながるとして、「極めて大きな問題を含み違憲だ。速やかな廃止を求める」と訴えた。
◆芸術表現に深刻な萎縮が生じる可能性を危ぶむ
呼びかけ人の一人である橋本基弘・中央大副学長は、国会内での記者会見で、根底には愛国心を強制して政府批判を封じ込める意図があると指摘。将来的な発生を抑止する「予防的な立法事実」に基づき制定されたことについて、「あらゆる表現規制に道を開く。憲政史上、最も大きな禍根を残すものの一つだ」と非難した。
声明は、処罰範囲が不明確なため、国旗を使った芸術作品を公的な場で展示しにくくなるなど、芸術表現に深刻な萎縮が生じる可能性を危ぶむ。愛敬浩二・早稲田大教授は「自分と価値観が異なる意見や表現に出合い、受け入れられなくても議論し我慢するという寛容が、市民社会を構築していく上で必要不可欠ではないか」と述べた。
国旗損壊罪は「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊、除去、または汚損」した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す。先の国会で成立し、13日に施行される。成立前の7月には刑事法学者148人が反対声明を発表していた。(浜崎陽介)
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。