法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『みいちゃんと山田さん』のアニメ化が決まった時点では、性風俗産業を舞台とした人情悲喜劇を描くつもりだったのかも、ということは少し思う

『みいちゃんと山田さん』は、現時点の原作漫画の評価から、このような偏見に満ちた作品をメディアミックスするのかと問題視されている。


 しかし、現在のアニメ制作にかかる時間は企画も制作も長引いている。
 たとえば『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』はアニメ側の打診から放送まで3年以上かかっている。
『チー付与』2026年10月放送開始|メインキャストに山下大輝、Lynnら | アニメイトタイムズ

監督:本間 修氏 コメント
「チー付与のアニメ化をさせて下さい!」と講談社さんに相談させていただいたのが2023年の年始。担当編集の方がアニメ化部署に映像化の話を振って「苦笑い」されてからあまり間を置かずに企画が始動したわけです。
そんな早くから動いていたにも関わらず、長らくお待たせしてしまって本当に申し訳ありません!!

 WEB小説をコミカライズした『チー付与』は、連載初期から一部で注目されていたが、どちらかといえば原作を逸脱したナンセンスギャグ漫画としての評価だった。

「面白いシーン全部原作にない」「穴久保版なろう」「原作要素は主人公の服だけ」全関係者の正気を疑う異世界系コミカライズ「追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。〜俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?〜」 - posfie
 アニメ化が打診された2023年初頭の内容をコミックDAYSで確認すると、ちょっとシリアスなドラマのフレーバーをまぶしながらも、いかにも欧風ファンタジーな双頭のドラゴンが機関銃を落っことすギャグ描写をおりこみつつ、その戦いが一段落あたり。
追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~ - 業務用餅/六志麻あさ/kisui / 第11話 | 月マガ基地
 その後、2023年なかばからは依然としてギャグ漫画でありつつ、『葬送のフリーレン』に通じるところがあるという評価が出始める。
チー付与は『葬送のフリーレン』と同じ読み味である説にほんのりと同意する声 今なら4巻無料で確かめ放題 - Togetter
 そして2024年なかばには、原作に存在しない反社会集団による破滅的な知略戦を魅力たっぷりに描ききり、その末路もあわせて高い評価を獲得した。
「この展開丸ごと全部原作にはないのが本当に飲み込めない」コミカライズ版『チー付与』39話、HUNTER×HUNTERばりの読み合いと熱い展開にビビる - Togetter


 同じように、『みいちゃんと山田さん』もアニメ化を打診した時点では、時期的には優生学的な描写もなかったのではないだろうか*1
 アニメ制作側は、先にアニメ化している『タコピーの原罪』や『ハッピーシュガーライフ』くらいの露悪的なシスターフッド作品になると予想していたのかもしれない。

 そうして制作していたら、原作が耳目をひくことを最優先するかのように刺激的な描写ばかりつめこんで、もともとのエッセイ漫画の延長のような味わいが消えていった、といった感じなのではないかと素人目には思える。
 もちろんそうだとしても制作を続行したアニメ制作側の責任も問われるが。

*1:作者がどこまで設定を考え、それをアニメ制作側に開示していたかは、公式の発表がなければわからないが。