捏造された記事の画像を添付したポスト(Xより)
有料サイトへの誘導が目的か
いったい何の目的で、この「偽記事」は作られ、拡散されたのか。ITジャーナリストが解説する。
「記事のスクリーンショットとともに、そこに登場する女性と同一人物であるかのように見せた成人向け動画の画像が投稿されています。偽記事によって情報に信憑性を持たせ、有料サイトへの誘導につなげる手法だと考えられます。
最近のSNSでは、話題性のある画像や投稿で注目を集め、その先に有料サイトへのリンクを置くケースが見られます。実際、今回もリプライ欄には有料サイトのURLが掲載されていました。つまり、『被害を訴えた女性に、実は成人向け動画への出演歴があった』という架空のストーリーを作り、閲覧者の驚きや好奇心をあおったうえで、コンテンツの閲覧や購入につなげようとしたのでしょう」(ITジャーナリスト)
「迷惑撮影」は現実に起きている社会問題
当該ポストは、投稿から1週間で1800件を超えるリポストと50件近いコメントが寄せられ、表示回数(インプレッション)は1577万回を超えた。返信欄などでは、偽記事の内容を事実と受け止めて女性の言動を批判したり、その尊厳をめぐる議論に発展したりするやり取りも見受けられた。前出・ITジャーナリストが続ける。
「女性アスリートを性的な目的で撮影し、その画像や動画をインターネット上で拡散する行為は、現実に起きている深刻な社会問題です。
実際、日本陸上競技連盟が2025年7月、アスリートを対象にした迷惑撮影や、写真・動画が性的な目的でSNSやウェブサイトに掲載される事例が頻発しているとして、繰り返し対策を呼びかけています。一部の競技会では、選手を守るため、観客による写真や動画の撮影を全面的に禁止せざるを得ない状況も生じています。
今回の投稿は、こうした現実の被害を題材に架空の告発を作り、報道機関のロゴを利用することで信用を借り、成人向けコンテンツへの誘導に利用したものです。実際に被害を受けている選手や、問題の解決に取り組んできた関係者の訴えまで、閲覧数や売り上げを得るための材料として消費している。今回の件は単なる記事の捏造だけで済まされるものではないでしょう」