10代の頃、携帯電話を片手に気になる子からのメールを心待ちにしていた。時にはメールが端末に届いていないのではと考えたり、受信ボタンを何度も押して確認したりもした。昔のことを思い出したのは、今も仕事でスマートフォン片手に似たようなことをしているからだ。ただ、胸のうちにあるのは昔日のようなドキドキではなく動悸(どうき)に近い。
今春、米ワシントン支局に異動した。就寝前や起床時の日課の一つにトランプ大統領のSNSチェックがある。深夜や明け方に突然、イラン情勢など重要な投稿をする場合があるためだ。寝ぼけまなこでスマホのSNSアプリを起動すると、トランプ氏が前日とは全く異なる発言をしていることもあり、心臓に悪い。
日本との時差の関係上、米時間深夜に夕刊用の原稿を確認してから寝て、起きた直後に朝刊用の原稿をチェックする。生活習慣のためか、あるいは最近書いた原稿の8割以上にトランプ氏の名前が書かれているためか、トランプ氏が夢に出てくることもある。
ブラジルのルラ大統領は4月、トランプ氏を念頭に「世界を脅す大統領の投稿を毎朝目覚めるたび、毎晩ベッドに横になるたび目にする状況であってはならない」と批判した。トランプ氏のSNSに振り回されているという点では世界の首脳も同様のようだ。