light
この作品「目指せスケート界の問題児」は「mdlstCP」「mdlstBL」等のタグがつけられた作品です。
目指せスケート界の問題児/柿ノ木の小説

目指せスケート界の問題児

8,832文字17分

逆行した司がマスコミによる執拗な追求から夜鷹を守る為に、彼を超える問題児になってマスコミの視線を自分に向けさせるべく奔走していく話。

※夜鷹の引退理由の一つがマスコミであるという大捏造
※逆行&同期ifみたいな感じ
※司が女性と関係を持つ描写がありますが一切恋愛は無いです
※後半で一部ちゃんねる風になります

1
white
horizontal

有名なアスリートには周囲の視線が付き物だ。如何に本人が望まなくとも、彼等がその名を上げるにつれメディアはその一挙一動を逃さんと執着する。無論、純粋に彼らの活動を応援しその栄光を褒め称え、これからの活躍を期待するだけならばまだ良い。問題は、スキャンダルな話題を好み、粗を探して彼等を蹴落とそうとする部類だ。如何にアスリートと言えども元は只の一般人である。プライベートを侵され、インタビューで言葉の一つ一つに過剰に気を配り、それでも憶測が飛び交い記憶にもない発言や行為を面白おかしく書き上げられるのは並大抵の人間では耐えられる事ではない。しかしそれがこの国で有名になるということの弊害の一つでもあるのだ。
それは知名度が上げれば上がるほど加速する。だから、当時だけでなく引退後も尚世界中でその名を轟かせる伝説のスケーター、夜鷹純ならば言わずもがなであった。
彼が引退の理由にマスコミによる執拗な追求を上げてはいない事は知っている。彼のことだから、きっと引退を決めたのはそれだけではないとも思っている。それでも当時はあの喧騒に疲れていたのだと、そうポツリと漏らした彼の言葉は司の心に深い棘となって突き刺さった。当時の彼の人気は凄まじく、こぞってメディアは彼の姿を収めんとカメラを構えてプライベートでさえもその姿を追いかけ回した。一般人でさえ、当時は彼の姿を見れば自然とカメラを向けた。時には大きな騒動になることさえもあったらしい。
オリンピックで証明を終えたとしても、その後も選手を続けることは出来たのかもしれない。それでも何処か異様な熱気に包まれていたあの頃の夜鷹を取り巻く周囲が、最悪の事態にならなかったのは彼が引退したからとも言える。だがそれは、なんて皮肉な事だろうか。
彼がのびのびとスケートが出来れば良いと思った。何者の視線にも煩わされる事なく、街中を歩ければ良いと思った。そう神様に司はずっと願っていた。


だからだろうか、目を覚ました瞬間に自分が過去に戻っていることに気付いた司は、咄嗟にずっと自分が神様に願っていた事を思い出した。きっとこれは神様が与えてくれたチャンスなのだと、そうストンと司は納得した。今度こそ、何にも邪魔されることなく夜鷹が好きなだけスケートを出来るように……でも、どうやって?
マスコミ関係の職に就いたとて、司が制御出来るのはその勤め先まで。夜鷹のボディガードになったとて、完全にあの騒動から彼を守る事は出来ない。そもそもあの騒動を起こさない方向で考えた方が良いのでは?
そうして司は考えついた、そうだ、夜鷹の代わりに自分がマスコミに追われるようになれば良いのだと。
幸いにして今世ではギリギリではあるもののスケートが出来る環境にある。いやまぁ本当に色んな人たちに頭を下げて何とかという崖っぷちではあるけれど。それに、何故か年齢だって前回よりも数年早く生まれているお陰で、殆ど夜鷹達と同世代と言っても良い。ならば夜鷹と同様にスケートをしつつ、彼以上の問題児としてマスコミの目線を全て司が掻っ攫って仕舞えば、彼に向く目も無くならずとも多少は減るだろう。
なんて素晴らしい考え、ベストアイデア賞受賞間違いなし、なんて珍しく自分を褒め称えつつ司は口端を釣り上げた。目指すはスケート界一のトラブルメーカーである。


コメント

  • vall
    2日前
  • 剣崎♪
    7月26日
  • *遼*
    7月19日
センシティブな内容が含まれている可能性のある作品は一覧に表示されません
© pixiv
人気のイラストタグ
人気の小説タグ