【事案の整理】
・2021年6月にAとBが婚姻
・2022年にBがCを出産
・2024年5月に離婚した際、親権者をAと定めた
・離婚後は交替監護をしていた
・2024年8月27日、Bは、AがCを連れて大阪に転居すると言っていることについて警察に相談し、Aに、大阪に行かずにCを手元で育てさせて欲しいと懇願した
- ・2024年9月21日、Bは、Dを代理人として、親権者の変更と子の監護者指定と引渡しの申立書を作成した ・2024年9月23日、BがCを監護していた期間中に、AがCを連れて外出したいと述べたためCを引き渡したが、CがB宅に戻されたのは深夜であった ・2024年9月24日、Dは上記の申立てを行った・同日、BはDに、「娘を引き渡さないことは違法なのか。(娘にあざがあったので)虐待からの保護にあたると思う」という内容のメールを送った ・DはBに、引渡しを拒否することは得策ではないと説明し、警察等への相談を提案し、「(Bの気持ちは)分かっているので闘いましょう」などと述べた・2024年9月25日以降、Bは、AからCとの面会や外出を求めらた際、Aに対するCの引き渡しを拒否した。 ・2024年9月27日、Aは、Bを警察に通報した。 ・Bは、警察に、Cの額に痣があったことや、Aが深夜にCを連れ回していたことを説明し、警察から、警察や児童相談所の保護を示唆されたが断った・その後、DがBを説得し、2024年10月1日、BがAにCを引き渡した という流れのようです。(ネット上で公開されていた高裁判決と朝日新聞の報道による整理です。)原審は、BにもDにも違法性を認めていませんが、判断の分かれ目は、①額に痣があったり、深夜子を連れ回していた場合に、BがCの心身の健康を害する可能性があると考えるのもやむを得ないのか、その程度ではAの監護の継続を容認できない程度に劣悪だったと認められないのかという点と、②DがBに引渡しをしないことは得策でないと助言し、警察等への相談を勧め、家庭裁判所に法的手続きもとった上で、CをAに引き渡すように説得し、9月27日から4日後の10月1日には、BがCをAに引き渡したという一連について、婉曲的な助言ではっきりと違法の可能性を述べなかった点、評価が分かれたようですこれ、どうなんでしょうね。 Dの助言は、共同監護をしていたのに、親権者であることをたてにして大阪への転居を告げられたBの母親としての気持ちをなだめつつ、家裁での手続き、警察等へ相談を促すなど慎重に助言しているように見えますけど。しかも、数日後には引渡しの説得が功を奏してるわけで・・冷静な判断と正当な手段で紛争の解決を穏当に努めたように思われて、たかが5万円といっても気の毒のように感じました。刑事告訴や懲戒請求とかもされてたりするのかな・・・。自分が父親側から相談を受けたら、「交替監護をしてたのに急に大阪に転居すると言われたら母親が不安に思うのも無理はない。転居にやむを得ない事情があったとしても、親子交流は充実させると約束するなど提案しましょうか」と助言して、子の引渡しの申立てをすることを検討したかなと思います。少なくとも、数日で戻ってきたのに、損害賠償請求はしなかったかな・・・。色んな弁護士がいますね。(おわりに) 判決を読む限り、D弁護士は、連れ去りを勧めていませんし、Bの感情的な連絡に対して、婉曲的にでも、子どもを引き渡さないことは得策ではないと言っていて、実際、数日後には説得してAのもとに返させてるわけで、朝日新聞の記事は、世論をミスリードしているように思いました。
- 交代監護ではなく、単なる面会交流では? 面会交流中に子の引き渡しを拒否すると、親権者変更の申立に致命的な悪影響を及ぼす(認められる可能性はほぼなくなる)点を母の代理人はきちんと説明して思いとどまらせるべきだった。なぜ説明しなかったのかが理解できない