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副首都法の成立 利益誘導を許さぬ体制に

参院本会議で副首都法が2票差で可決、成立し、笑顔を見せる(右から)自民党の松山政司参院議員会長、石井準一参院幹事長ら=国会内で2026年7月24日午後9時39分、平田明浩撮影 拡大
参院本会議で副首都法が2票差で可決、成立し、笑顔を見せる(右から)自民党の松山政司参院議員会長、石井準一参院幹事長ら=国会内で2026年7月24日午後9時39分、平田明浩撮影

 議論が尽くされず、生煮え状態での法制化だ。利益誘導に陥らぬよう、政府には公正に制度設計を進める責任がある。

 東京圏以外の道府県を副首都に指定できる関連法が成立した。主な野党が反対する中で、制定を急いだ与党の対応は極めて問題だ。

 副首都は東京で大災害が起きた場合の代替機能と、多極分散型の経済拠点づくりを目的とする。政府は指定するための要件を政令で秋までに定める。

 「大阪ありき」だと批判されてきた法律である。大阪を地盤とする日本維新の会が制定を主導し、大阪府の指定が事実上前提とみられているためだ。しかも大阪市を解体する「大阪都」構想と連動している。維新は実現に向け、3度目の大阪市民投票実施を目指す。

 副首都法の付帯決議は、市民投票を実施する場合、大阪府知事選などを同時に行わないよう求めた。だが、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は、同日投票に固執する発言を続けている。国会軽視の言動は慎まねばならない。

 都構想が実現しなくても、人口などの要件を満たし、道府県と政令市が連携協約を結べば副首都への指定は可能になる。吉村氏も協約方式で年内に申請することを検討しているという。都構想の必要性は根拠を失うのではないか。

 維新は副首都問題の事実上の当事者だ。愛知県、福岡県なども意欲を示している。今後、担当閣僚の人選などにあたり、高市早苗首相は公正を期すため維新や候補地選出議員の起用を避けるべきだ。

 副首都の機能や求められる都市基盤は不明確だ。巨額の支出をまかなう財源も示されていない。副首都を決めてから基本方針を作るとみられる。順番が逆だ。

 肝心なのは、東京集中の是正に資するかどうかである。政府がさきに決定した「骨太の方針」からは「東京一極集中」の文言が消えた。これでは本気度が疑われる。

 指定要件を定めるにあたっては、防災の観点も必要になる。大阪、愛知は南海トラフ地震で被災するリスクを抱える。

 西日本や東海に偏重した構想となるようでは、「多極分散」につながるのか疑問だ。地域バランスを重視して選定するのもひとつの考え方であろう。

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