熊本県で7月28日、最大震度7を観測した地震で、同県益城町は1日、災害ボランティアの受け入れを開始した。余震も続く中、県内外から駆け付けた人が、家財が倒れるなどした住宅の片付けなどに汗を流した。
益城町は平成28年の熊本地震で観測史上初の2回の震度7を観測。今回の地震でも最大震度6強の揺れに見舞われた。町社会福祉協議会は7月31日からオンラインでボランティアを募集し、すでに「第1期」とする1~10日までの参加者は上限に達した。
1日には町から協力を依頼した団体を含め、約50人が作業に従事。熊本大4年でボランティアサークル「熊助組」メンバーの北林碧さん(21)ら4人は被災した男性(70)方を訪問。
男性は家族が入院中で一人暮らしのさなかだった。自宅は1階浴室の窓ガラスが割れ、2階でもたんすが倒れて部屋の扉が開かなくなった。心臓に持病を抱える男性は台所に散乱したものを片付けるだけでも「10分作業したら20分は休む状態」だったという。「10年前の地震よりもひどい」という被害で途方に暮れていたが、メンバーらは1時間ほどで作業を完了した。
男性は「風呂にもゆっくり入れそうだ。地震後のいらいらした気持ちが消えた」と感謝を表し、北林さんも「助けることができてうれしかった」と笑顔を見せた。
町内からボランティアに出る動きもあった。町立益城中3年の吉住奏斗(かなと)さん(15)は、東日本大震災直後の平成23年4月生まれ。「地震を身近に感じてきた。困っている人の力になれたらうれしい」と陸上部の仲間3人を誘って参加した。
小柳弘美さん(65)の自宅は、今回の地震で食器棚が倒れ、割れたグラスや酒瓶の破片が散乱した。別のボランティアグループが破片を回収し、壊れた家具を運び出した。10年前の熊本地震を受け、天井に突っ張り棒を取り付けるなどの対策をしていた小柳さん。「10年前の恐怖を思い出して心が折れていたので、手伝っていただいて本当に助かった」と安堵した表情で話した。
木村知事は参加自粛求める
県内では被害の甚大さから一部の自治体でボランティアの受け入れ態勢が整わず、木村敬知事も環境整備ができるまでのボランティア参加自粛を求めている。
益城町社協では、大きな人的・物的被害がなく、ボランティア募集のオンライン化など過去の被災経験を生かした効率化を進めていた。社協事務局の緒方誠次長は「(知事発言に)ジレンマはあったが、行けるところから行こうと考えた」と発災5日目の受け入れに至った理由を明かす。
当初10件程度を見込んでいた1日の作業は、予想外の進捗から約20件が完了した。緒方次長は「後片付けを通じて生活再建、心の再建が進めば」と期待を寄せた。(内田優作、永礼もも香)