わいせつ教員を隠蔽した川崎市校長への処分が戒告だけ?―英国では隠蔽校長はDBS・教員就業禁止命令に #エキスパートトピ
わいせつ教員の隠蔽という重大な不祥事に対し、川崎市の校長が受けた処分は「戒告」にとどまったと報道されています。多くの被害者を出したわいせつ教員の重大犯罪を見て見ぬふりをし隠蔽した校長を川崎市は戒告処分で済ませていいのでしょうか。
英国では校長がわいせつ教員等の性暴力・性犯罪の隠蔽行為をすると、国の教員規制庁(TRA)による調査が行われ、DBS登録や教員就業禁止命令が科されるなど、厳格な処分が行われます。
隠蔽校長がDBS搭載もされない日本の制度はこのままでよいのでしょうか。
ココがポイント
東京新聞編集局 @tokyonewsroom
Musa is prohibited from teaching indefinitely
出典:Teaching Regulation Agency(英国教員規制局,"Mr Mustafa AliMukardam Musa:Professional conduct panel outcome"(Musa氏に対する教員倫理委員会報告) 2025/7/15(火)
“prohibition order” ..prohibiting the person...teaching work
出典:Education Act 2002,Section 141B(英国教育基本法 141B節) 2012/4/1(日)
倫理的リーダーシップは(略)子どもへの性暴力やあらゆる危害を許さない良心的な市民のモデルともなるリーダーシップである
出典:末冨芳「イギリスの子どもの安全保護政策(Children Safeguarding)と倫理的リーダーシップの重要性―こども性暴力防止法(日本版DBS)を有効に機能させるために―」日本大学教育学会『教育學雑誌』第 62 巻 p. 41 2026/3/31(火)
エキスパートの補足・見解
イギリスでは2002年教育基本法により、教員の不適切行為だけでなく、校長による隠蔽行為も明確に禁止され、不適切な行為に対し教員就業禁止命令("prohibiting order")を発令するかどうか、政府が調査し決定します。
TRA(教員規制庁)による調査や教員就業禁止令、DBSへの登録といった厳格な仕組みが整備されています。
2025年には複数の性暴力等の事案を隠蔽した校長Musa氏が子どもの安全を守れなかった法令違反として実際に就業禁止の対象となったことが教育省HPで公表されています。
加えて、英国の校長には倫理的リーダーシップが義務付けられ、性暴力や性犯罪の隠蔽を許さない学校評価・校長評価が制度として機能しています。
一方、日本の校長選考や校長評価には倫理的リーダーシップの視点が組み込まれておらず、今回のような隠蔽校長が少なくない可能性も否定しきれません。
子どもの安全を守るためにも、わいせつ教員・盗撮教員に加え隠蔽校長も学校現場から追放レベルでの制度の抜本的な改善が早急に求められます。