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この作品「酔いどれグッドナイト」は「よだつか」「mdlstCP」等のタグがつけられた作品です。
酔いどれグッドナイト/4/1の小説

酔いどれグッドナイト

12,613文字25分

(あらすじじゃない、あらすじ)
司を酔わせた張本人であるエイヴァは可愛いわねぇ、なんて呑気に笑って、司に水を渡している。なんで世の中の人間は疲れると酒に走るのか。まったく意味がわからない。
「純のステディは可愛いわねぇ」
「……これのどこが可愛いの?」
「だって、すっかり純にべったりじゃない」

*非情に捏造な未来設定になります。
*途中で修正が入ることもありますこと、お許しください。
*鯖はスケートがまったくわからない鯖です。
*コミックス派なので、最新巻までのネタバレを含みます。
*また既存の設定および口調について誤謬、誤字脱字があるかと思いますが、広いお心で許していただければ幸いです。

9月21日のイベント参加を予定しています。体調くずさないように頑張りたい鯛

感想やXはこちら⬇️(不定期で消えるやもやも🐟)
https://lit.link/watanukisabasaba

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*キャプション必読
(1)
 明浦路司という青年は──酷く、希有な青年である。なにせ夜鷹純の恋人。その時点で相当な変わり者だ。
 二十歳でアイスダンスをはじめて、二年間の現役期間ののちに引退。それ以降はショーダンサーを目指していたものの、とあるきっかけによりルクス東山FSCにアシスタントコーチとして就任。以降は、生徒である結束いのりと共に各大会へと出場して実績をあげている。様々な大会へと帯同しながら、今では名古屋でも知らないものはいない──特にアイスダンス仕込みのスケーティングの指導実績が高く評価されている──フィギュアスケートの指導者の一人。そこまで言葉であらわせば順風満帆なようではあるが……当の本人は、そんなことを全く思っていないようだった。
「よだか、ひゃん……おどりましょう!」
「やだ」
「なんでですぁあぁあ、俺が、おれが、なさけないこーちだからですかっ……!」
「コーチは関係ない。近所迷惑だからだよ」
 夜の鴗鳥家、目の前の惨状に夜鷹純は盛大なツッコミをいれた。
 酔っ払いだ。顔を真っ赤にして、あの……明浦路司が酔っていた。もともと何かしらの折があれば、司は飲まないわけではない。今までもコーチ陣のあいだで何度か宴席はあったものの、ここまで盛大に酔っているのを夜鷹が見るのは初めてであった。
 九月から始まったジュニアグランプリシリーズ、それは世界各国での転戦となるため移動に生徒のケアと──指導者側の疲労も跳ね上がる。特に最後の試合ともなれば十月初旬にまでもつれこみ、そこからは十一月の全日本ジュニア選手権までノンストップ。
 過密スケジュールに疲労は溜まる。狼嵜光のコーチとして、正式に就任した夜鷹純であってもそうだ。だが、そこは現役時代の経験がものを言う。どうすれば狭い飛行機のなかで楽にすごせるか、ストレスを溜めないでおけるのか。もとより国際試合での場数が違った──だからこそ、司のような惨事になることもない。
 へべれけになった百八十六センチは酔っても元気だった。ご機嫌なままにニコニコと微笑み、お酒おいしいですねぇ、だなんて言って船を漕いでいる。
「明浦路先生はダンスがお好きなんですよね」
「はい! あの、おれ、コーチがついてくれたのが、おそかったんですけど、その先生がすごく踊れるひとだったので!」
「あぁ、高峰瞳先生のお父さまですね。匠先生はアイスダンスのメダリストでもありますし」
「そーなんです! 俺のせんせい、ほんとうにすごいんです!」
 めちゃくちゃかっこいいんですよぉ。足がね、二メートルくらいあるんですよぉ──などと言ったあたりで、苛立ちに任せて夜鷹は舌打ちした。
 司を酔わせた張本人であるエイヴァは可愛いわねぇ、なんて呑気に笑って、司に水を渡している。なんで世の中の人間は疲れると酒に走るのか。まったく意味がわからない。
「純のステディは可愛いわねぇ」
「……これのどこが可愛いの?」
「だって、すっかり純にべったりじゃない」
 秋の夜更けに、我が家でちょっとした慰労会でもしませんか──慎一郎の呼びかけと共に、和やかに始まったはずが、フタをあければエイヴァの独壇場となった。恐縮しきりの司を前に彼女は各国の酒を回しに回した。
 今日は子供たち、ばーばの家に行ってるからね、大人たちだけで騒ぎましょう!
 そんなふうにも言って、司に飲ませて、エイヴァ自身も飲みに飲んだ。もとよりアメリカ人と日本人では酔いの回り方がちがうのだ。相当外に酒に強いはずの司も、ワインにビールに日本酒とを空けたあたりで、この有様となった。
 真っ赤になって気怠そうなくせに──しっかりと、夜鷹の手は握ったままだ。ガーデンテラスの隣に座った夜鷹の肩に触れそうになるたび、ぐっと首が前を向いて、けれどまた船を漕ぐ。珍妙な生き物の姿を興味深そうにも見ていれば、慎一郎が笑った。
「普段から気を張っているかただからね。そんなふうに酔ってしまったのは純くんがいるからじゃないかな」
「そうなの?」
「うん。だって、君は明浦路先生が安心できる居場所だからね」
 少なくともコーチ陣での飲み会では酒量を超すことはない。自身でも相当にセーブをかけるし、回りへと迷惑をかけるのを厭うひとだからね──。
 そうとまで言われて、腑に落ちた。
 あぁ──そういえば、そうか……この子と正式に付き合う事になったのだって、夜鷹が忌むべき酒がきっかけであったのだ。

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コメント

  • *遼*
    5月20日
  • 月風
    3月17日
  • 紅桜の風
    2025年9月13日
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