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この作品「メダリスト小話」は「メダリスト(漫画)」「明浦路司」等のタグがつけられた作品です。
メダリスト小話/黒イルカの小説

メダリスト小話

2,481文字4分

初投稿です。
メダリスト、マンガ本編もそうですが、アニメもよかった。
今まで、読み専だったのに、ついに自分でも書いてしまいました。

司先生が、ブロック大会後に拉致られた焼き肉屋に、
五里誠二と鴗鳥慎一郎が合流した後の一コマ。

想像・捏造マシマシです。

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中部ブロック大会後の焼き肉屋にて

「あ、忘れてた。」
突然、千羽輪太郎は司に向って言った。
「司先生、なんでいのりちゃんスケートできているんですか。」
周りは、輪太郎の発言に訝し気に思っている中、
王仁敦士が「司先生に教わっているからじゃない。」と簡単に答えた。
輪太郎は、「そうじゃなくて、何故スケートを始められたのかってこと。」
この発言に周りは更に「何言ってんだ」という雰囲気が漂った。
輪太郎は雰囲気を察したのか、すぐ説明を始めた。
「今日、いのりちゃんのスケートを見て、うちの先生が以前うちに所属していた結束実叶の妹だって気づいて、その発言を聞いたとき、僕も急に思い出したんですよ。
たしか去年の春ごろ、いのりちゃんがお母さんに連れられてうちのクラブに訪問した時のことを。
最初は入会希望の説明を聞きにきたのかと思って、僕が対応したんですけど、
のっけからお母さんのうちの子にはスケートなんてできませんよね、断ってくれって圧がすごかったのを。」
「その隣で意気消沈した表情で何も話さないいのりちゃんと、リンクで演技しているいのりちゃんとの印象があまりにも違い過ぎて。」
こう言い終わると、皆の視線が司に集まった。
「あぁ、ルクス東山に訪れた時も、同じような感じでした。」
そこで、司はいのりがルクス東山に入った経緯を説明しだした。
「その時、僕はまだ瞳先生にアシスタントコーチの話を打診された時で、そこにいのりさんがお母さんと話を聞きに来たので、同席を許してもらった上で、僕も一緒に話を伺いました。」
「おかあさんは、いのりさんの姉もスケートをやっていたとおっしゃって、一応スケート業界のことも、理解した上で、やっぱりこの子にはスケートはできない、断ってくれって圧もすごかったです。」
「その時のいのりさんは、なんかこの世の終わりのような表情で俯いていて、それにおかあさんは気づいていなくて、あまりにも可哀そうになって、言っちゃたんです。とりあえず一回滑らせてみましょうって。」
「ずいぶん、無茶するなぁ。」と五里誠二は、つぶやく。
「でも、いきなりいのりさんは結構なスピードで滑って、ぴたっと止まることもできたんです。」
「明浦路先生は、最初から結束選手が滑れるのをご存じだったんですか」と鴗鳥慎一郎は尋ねた。
「ある程度は滑れるんじゃないかとは思っていました。」と司が言うと、
慎一郎は「それは、どうして?」と。
「実は、その少し前に偶然スケートリンクにいた彼女と話す機会があって、彼女は小学生になったらスケートをやれると思っていたらしいんですが、お姉さんがケガして、スケートをやめた時期にかぶったらしく、母親からはスケートをやりたいって言わないでって言われたそうなんです。
それでもスケートがやりたかった彼女は自分で教本を買って、たまにリンクで滑って一人でずっと練習をしていたらしいんです。
そこでどんなに好きでも言わなければ誰もわからないぞって話して、学年を聞いたら5年生だって言うんで、選手を目指すならギリギリだって言って、僕が知っている名古屋のFSCの連絡先のメモを渡して、お母さんにフィギュアスケートがやりたいって言いなさいって。」
「それが、僕が経験した逆圧迫面談に繋がるのか。」っ、はぁとため息をついた輪太郎。
「滑れるのをみた親御さんは、それでスケートをやることを認めたと。」と誠二は言った。
「いえ、まだ。その後もいろいろと基礎的なことをやらせてみたら、やっぱりいのりさんはできてしまって、僕もついフィギュアスケートの美しい進み方を教えだしていて、いのりさんは飲み込みもよくて、それも出来てきたら、お母さんがいのりさんに『すごいよ、出来てるよ』って、それでいのりさんが褒められたのがうれしくなって、スケートやってもいいのか尋ねたら、『それはダメ』って。」
「その母親もなかなか手ごわいね」と誠二が言ったところで、
「お母さんにも、やらせたくない理由がちゃんとあって、それから話してくれました。」
「そして、お母さんの話が終わった後、いのりさんが急に泣きながら自分の想いを吐露し始めたんです。
『今が嫌だ』、
『私には何もない』、
『ダメじゃない部分がある自分になりたい』、
『私にもだれかに負けないくらい好きなことがあるって、上手にできることがあるって、私は恥ずかしくないって思いたい』と、
それを聞いていたら自分の中のなにかが飛んじゃって、
『もうさっさとやらせましょう』て口を突いて言っちゃいまして」と、恥ずかしそうにいう司に対して、呆れる一同。
「でもでも、一応僕なりのやらせた方が良い理由は説明しましたよ。
フィギュアスケートは氷の上でしか練習できない、時間も費用も、練習にかかるものが他の習い事の比じゃない。
この避けられない問題を乗り越えるには、本人の強い前向きな意志どんな才能よりも必要で、そのリンクに賭ける執念、それがこの子にはあります。」って。
「で、どうなったの。」誠二が続きを促すと、司は少し赤面しながら、
「俺がこの子のコーチとしてスケートを教えますって宣言しちゃいました。」と言ったところで周囲は、「えっ」となったが、司は続けて、「滑らせて時に感じた、いのりさんの才能と思えるところを言い並べて、お母さんが練習に連れてきてくだされば、この子は絶対に才能を開花できると思う、思うじゃなくて全日本選手権に出場できる選手にしてみせます。よろしくお願いしますって啖呵を切ってました。あまりの勢いにお母さんも大分ひかれたみたいなんですが、『そこまで先生がおっしゃるなら』と認めてくれました。」と言い終えると、更に赤面しながらウーロン茶に手を伸ばした。
おもしろそうに笑いながら、「熱血スイッチでも入って更に加速したか」と五里誠二。
ふっと笑いつつ「理鳳が話す明浦路先生らしい」と鴗鳥慎一郎。
アシスタントコーチの3人は引いていたが、ヘッドコーチの二人には少し刺さったようだった。
そして、話題は次に流れていった。

コメント

  • leaftea

    さすがにミミズを入場料代わりにしてたなんて事は言えんよなぁw

    2025年5月10日
  • けゆ
    2025年4月25日
  • Lilith
    2025年4月20日
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