高市早苗首相は7月30日、飲食料品の消費税率を来年4月から2年間限定で、現行の8%から1%に引き下げると表明した。1989年に消費税が導入されて以降、税率の引き下げは初めてとなる。中低所得者向けへの現金給付も行い、税負担を「実質ゼロ」とする方針だ。
飲食料品に対する2年限定の消費減税は、与党の自民党と日本維新の会が2月の衆院選で公約に掲げていた。高市首相は「国民の負担軽減策として今何をすべきか、最も望ましい方法は何なのか、各党の意見も踏まえて改めて熟慮し、最後まで考え抜いた末、最善と考えられるものを選択した」と説明した。
だが、自民党内の一部や多くのマスコミ、衆院選で同様に減税を公約していた野党も減税に反対しているようだ。そこには物価や経済政策への無理解があるようにみえる。
筆者が毎週出演している朝日放送テレビの情報番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(7月25日放送)で、「現状はインフレかどうか」が話題となった。
マスコミ報道は混同
出演者の一人が、形式的に消費者物価指数がプラスなら「インフレ」と語った。「一般物価」と「個別価格」の区別も曖昧だったので、筆者から「害のあるインフレ」と「ないインフレ」を区別した方がいいと述べた。番組の時間も押していたので、込み入った議論はしなかった。
まず、一般物価と個別価格の区別から考えてみたい。
一般物価とは、消費者物価指数など個別価格の平均値をいう。一方、個別価格は食料品価格などのようなものだ。その上で、「インフレ」とは一般物価の持続的な上昇をいう。