<主張>辺野古転覆事故 学校側の刑事責任追及を

社説

辺野古沖転覆事故に関する調査報告書を提出し、記者会見する第三者委員会の渡辺徹弁護士(左)ら=7月31日午後、大阪市

沖縄県名護市辺野古沖で抗議船2隻が転覆し、研修旅行中の同志社国際高の女子生徒らが死亡した事故で、同校の対応を調査していた第三者委員会が報告書を公表した。

教員らが安全確保の対策を事前にほとんどとらなかった点などを指摘し、同校を運営する学校法人同志社の安全配慮義務違反を認定した。学校側が適切に対応していれば、悲惨な結果を防げた可能性が高いという内容だ。その責任は極めて重い。

亡くなった生徒の遺族は、同校の西田喜久夫校長や引率教員、船を運航した「ヘリ基地反対協議会」の共同代表や船長らを業務上過失致死傷罪などで刑事告訴している。遺族の訴えはもっともだ。捜査に当たる海上保安庁には、事故原因のさらなる究明を求めたい。

第三者委は外部の弁護士3人で構成され、事故後に同志社が設置した。調査報告書が何度も強調しているのは、教員らの「安全管理に対する意識が欠如していた」点だ。

転覆したのは米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する抗議船だが、生徒を乗船させることに疑問や危険性を指摘する教員はいなかった。学校側のリスク管理体制も形骸化しており、ほとんど機能しなかった。

第三者委は、こうした安全意識の欠如が「本件事故発生の大きな原因」と結論づけた。学校側は猛省すべきだ。

文部科学省も5月、現地の下見や天候の確認を行わず、引率教員が船に同乗しなかったことなどを「重大な判断ミス」「著しく不適切」と断じた調査結果を発表している。文科省は、今回の研修旅行が政治的中立を定めた教育基本法違反に当たるとも初めて認定した。

第三者委の報告書を受け、同志社はホームページ上で改めて謝罪し、「内容を真摯(しんし)に受け止め、十分に精査し、再発防止策の拡充などの検討を行う」とした。それは当然だが、学校側はこれまで「調査中」を理由に対外的な説明をほとんど行ってこなかった。今後は説明責任を果たしてもらいたい。

同時に、抗議船を運航する反対協と、危険を顧みずに出航した船長らの責任が重大であるのは言うまでもない。悲劇を繰り返さないために、反対協、学校側双方の刑事上の責任追及が不可欠である。

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