安倍元首相と山上被告 一線を越えてしまった同士の邂逅 鈴木エイト[ジャーナリスト/作家]
高市首相と旧統一教会の関係は…
──高市首相と旧統一教会の関係については、一時期週刊誌が大きく報じたけれど、あれも曖昧なままになってしまうのでしょうか? 鈴木 教団の内部資料であるTM特別報告書に高市さんの名前が出てくるんですが、具体的な記述はあまりなくて、教団側の一方的なラブコールみたいな感じでした。でも高市さんを支援する「早世会」という団体について赤旗がスクープしています。高市早苗の「早」、世界平和連合の「世」で早世会ですが、そこが高市さんのパーティー券を買っていたという話です。その辺を見ると、地元・奈良での関係性はこれまでずっとあったんじゃないかと思われます。 今の「中傷動画」問題をめぐる『週刊文春』のスクープだと、「勝共連合のゲンさん」という統一教会関係者の投稿を、ノーボーダーの松井健さんに拡散するように木下秘書が指示したとされています。地元でのつながりについて高市さん周辺の議員から聞こえてくるのは、教団関係者がどんどん接触してくるけど、ずっとガードしてるということなのですが、少なくとも安倍元首相の銃撃事件の前には相当入り込まれてたんじゃないかという気もします。 これは裏が取れてないんですが、母親が入信して、それを救出しようとする子どもが奈良の教会のイベントに通っていた時期があるんですけど、その人が何回か高市さんを見かけたと言ってるんです。なので地元での付き合いというレベルで、高市さんは教団との関係をある程度持ってたんじゃないでしょうか。 今年3月、国会で子どもの自殺問題について質問された時に、高市さんが急に先祖の大切さを説いたことがあったんですが、「7代前までで250人を超えるご先祖様が」という発言、あれは完全に統一教会の先祖解怨の話なんですね。高市さんとしては旧統一教会の人間からレクチャーをされたことだという認識は抜けちゃっているけれども、先祖の話でというのが残っていて、それを言ったんじゃないかという指摘もあります。 高市さんが旧統一教会と今後深い関係を持つというのは考えにくいですが、過去の関係性においては少なからずあったんじゃないかなと思います。 ──先の衆院選での高市圧勝で政治資金問題も統一教会との問題も、一気に薄れてしまった感じはありますね。 鈴木 教会と関係を持っていた議員も復権してしまってますしね。自民党の政治家も、旧統一教会との関係をこれ以上踏み込まれたくないという思いがあるので、安倍さんと教会の関係についての検証をやらずにうやむやにしてしまっています。例えば奈良選出の佐藤啓議員もそうですね。公判で証人として出廷し山上を断罪したにも関わらず、自分が教団から支援を受けてきたことを隠していたわけですよ。 ──エイトさんは元々「やや日刊カルト新聞」という媒体で旧統一教会を追及してきたわけですが、今その媒体との関係は、どうなっているのですか? 鈴木 もう実質的に離れてるんですけど、「やや日刊カルト新聞主筆」という肩書はそのままにしています。山上裁判でも何回も名前が出てきてるぐらい重要なメディアだったと思うので、そこに関しては別に自分の名前を残しておいてもいいのかなと思っています。