安倍元首相と山上被告 一線を越えてしまった同士の邂逅 鈴木エイト[ジャーナリスト/作家]
旧統一教会はこれからどうなっていくのか
──最後に旧統一教会の現状についてお聞きします。旧統一教会に解散命令が出て、宗教法人でなくなるとか、全体としては解体の方向に向かってるわけなんですか? 鈴木 宗教法人ではないけれど、宗教団体としては存続できるわけです。現在わかっているのは、一般財団法人孝情教育文化財団というのがもともと教団系の関連団体として登記されていて、高裁の解散命令が出た3日後に登記の変更の申請がされているんです。活動の目的の中に宗教活動というのが急に入ってきたんです。そこで宗教活動を行おうとしていて、一般財団法人の名前も世界平和統一家庭連合の英語読みの略称であるFFWPUに変えようとした形跡があるんですが、それは法務省から却下されたらしい。 ただ、最新の情報だと「家庭連合」という名前で一般財団法人としてやっていくと言われています。その孝情教育文化財団の中でやるのか、新たにそういう財団を作るのかわからないですけれども。 新宿5丁目にある成約ビルの中に教団の関連団体がいっぱい入ってるんですが、この財団法人もその中の一室にあるんです。ただ清算人のホームページを見ると、5月20日から1年間、債権申し出の期間が設定され、同日そこに発表された清算人の文書を見ると、その教団所有だった建物で、教団の関連団体などに貸し出しているところに関しては、順次退去をさせていくみたいなことが書いてあった。なので、おそらくそこは今後継続した拠点にはならないと思います。 教団の職員が1400人ぐらいいたのですが、5月20日付で900人ほどが解雇され退職しています。残りの500人は総務とか経理担当者などで、清算手続きに必要なので、雇用されています。ただ解雇された900人のうち700人をその新しい一般財団法人で再雇用するという話で、それが7月に発足すると、堀会長が5月下旬のウェブ会議で発言していました。宗教法人ではない宗教団体、一般財団法人として7月に再出発をするわけですね。 今後は、霊感商法とかそういう時代を知らないクリーンな2世を前面に立てて、まともな団体だと標榜していくと思います。韓国も今、教祖の孫2人を後継者として前面に立てています。それがしょっちゅう来日して締め付けを行っているので、過去のことには全部蓋をして、新たなクリーンな団体だとして再出発しようとしているんでしょうね。でも、一方で、勝共連合がいろんなところで街宣を行っていて、スパイ防止法の制定を訴えています。これで高市政権においてスパイ防止法が制定されたら、自分たちの成果と誇るだろうし、教団の息のかかった政治家がかなり復権してきているので、まだまだ関係が断てたといえる状況ではないと思います。地方議員に信者が相当数いて、政治家の秘書に送り込まれた信者が地方議員選挙に立候補するという情報も入っています。そういう意味でも、彼らによる政界工作に関しては、今後も注意すべきなんじゃないでしょうか。