辺野古転覆事故の背景に「想像力の欠如」と第三者委 金井創牧師への「盲目的信頼」も指摘

辺野古沖転覆事故に関する調査報告書を提出し、記者会見する第三者委員会=31日午後、大阪市

沖縄県名護市辺野古沖で3月、船2隻が転覆し平和学習中だった同志社国際高校(京都府)2年の武石知華(ともか)さん(17)ら2人が死亡した事故で、同校を運営する学校法人同志社は31日、特別調査委員会(第三者委員会)の報告書を公表した。辺野古の乗船プログラムについて、安全性の確認や検証が一切行われていなかったとして、法人の安全配慮義務違反を認定。学校として「安全管理に対する意識が大きく欠如していた」と指摘した。

報告書をとりまとめた第三者委は同日、大阪市内で会見し、委員長の渡辺徹弁護士は「あまりにずさんな現場で信じられない思い。ことごとく安全管理の意識が抜け落ちている」と批判した。

転覆した2隻は普段、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「抗議船」として使用されていた。報告書は、その点を認識していた教員もいたとしたが、平和学習としてのプログラムの当否は「調査の対象外」として踏み込まなかった。

報告書によると、乗船プログラムは令和4年7月、当時の2年の学年主任らが、抗議船の船長である金井創牧師(71)=事故で死亡=から提案を受け、担任会や教職員会議を経て導入が決まった。しかし、今回の事故が起きるまで、プログラムの是非や安全性の議論は一切なされていなかった。

報告書は、学校側の安全管理意識が欠如していた背景として、金井氏への「盲目的な信頼」があったとしたが、そのような信頼が生じた理由については「牧師であることや平和活動に従事する人との印象を基礎とする漠然としたものとしかいいようがなく、合理的根拠は見いだせなかった」と記した。

乗船プログラム導入に際し、学校はボートの定員などを確認しただけで下見は一度も行っていなかったとも指摘。生徒の生命、身体の安全を守るために何をなすべきかという観点で、多くの教職員に「想像力の欠如」があったとし「およそ非難を免れず、猛省しなければならない」と断じた。(川西健士郎)

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