沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し同志社国際高校(京都府)の武石知華(ともか)さん(17)ら2人が死亡した事故で、同校を運営する学校法人同志社は31日、特別調査委員会(第三者委員会)が事故の原因究明などについてまとめた調査報告書をホームページ上に公表した。報告書は事故原因について法人側の安全配慮義務違反があったと認定した。特別委は同日午後記者会見する予定。
調査報告書は162ページ。事故原因について①令和7年度辺野古ボートコース実施にあたっての安全管理体制の不備②リスク管理体制の機能不全③安全管理に関する検証をさまたげた組織風土④安全管理に関する意識の欠如にあった―などと分析している。
また同志社国際高校について「リスク管理を担当する機関がほとんど機能していなかった」などと指摘。法人側の指導・監督も不十分だったとした。
事故があった辺野古の乗船プログラムでは、生徒計18人が普段は抗議船として使用され、運航に必要な事業登録をしていない「不屈」と「平和丸」の2隻に分乗。学校側は事前の下見を行わず、事故当日は現場周辺海域で波浪注意報が出ていたことを把握していなかったほか、引率教員が船に同乗していなかったなど安全管理の不備が明らかになっている。
文部科学省や京都府が5月にまとめた調査報告書によると、事故で死亡した不屈の金井創船長について、学校側は米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する抗議活動を行っていたことを認識していた。
文部科学省は5月、抗議船に乗せた点が政治的中立性に違反するとして法人に是正を指導。京都府も安全管理面で「著しく適切さを欠いた」と指摘し、高校を指導していた。学校側は府の調査に「金井氏が船長を務める船であれば安全だとの過信があった」と説明。金井船長に安全管理を一任した経緯の解明などが焦点となっている。
辺野古沖転覆事故 3月16日午前、沖縄県名護市辺野古沖で、平和学習中の同志社国際高校の生徒18人と乗組員3人が分乗した船2隻が転覆。2年の武石知華さん(17)と金井創船長(71)が死亡、14人が負傷した。武石さんの遺族は7月10日、同校の校長や運航団体共同代表らに対する告訴状を中城海上保安部に提出。第11管区海上保安本部(那覇)は同25日、業務上過失致死傷などの疑いで同校を家宅捜索した。