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2026年7月31日

【授業料値上げ】停学めぐる裁判、第2回も東大の情報開示不十分で解散

 2024年に授業料引き上げをめぐる「総長対話」が行われた夜に安田講堂に無断で立ち入り、今年停学処分を受けた東大の学生のうち一人が、処分の無効と賠償を求めて東大を提訴している。7月10日、東京地裁で第2回口頭弁論があった。

 

 原告の八十島士希さん(農・4年)は第1回に続き懲戒処分は無効だと主張。懲戒手続きについて東大が開示した文書では、処分の詳細が分からないとして黒塗り部分を公開することを求めた。現行の懲戒制度は1969年に東大と学生側代表との間で結ばれた確認書(東大確認書)に基づかないと繰り返した上で、懲戒処分の理由となる部分が隠匿されていると訴えた。

 

 続く被告の東大側の弁論に入る直前、裁判長は東大側の懲戒手続きの詳細にかかる説明が不十分だと指摘した。東大は懲戒処分の根拠を「犯罪行為」(建造物侵入)と「威力業務妨害」であるとの書類を提出していた。裁判長は建造物侵入罪の構成要件に当たる「不当性」や、妨害された「業務」の具体的内容が明らかでないとし、次回の口頭弁論で内容を公開することを求めた。

 

 第3回口頭弁論は10月5日午前11時から行われる。裁判長は本件の注目度に言及し、103号大法廷で行うことを決定した。東大側が開示する予定の具体的な懲戒理由の内容が次回の争点となる。

 


 

解説

 

 東大確認書は、1968年に医学部の学生が受けた懲戒処分が誤りだったとして、学生らの要求・加藤一郎総長代行(当時)の提案などを踏まえ、東大側と各学部の学生代表との間で69年に結ばれたもの。学生側では学生大会や投票、東大側では評議会(当時)での審議を経ている。現在でも、教養学部学生自治会と教養学部が「『東大確認書』の精神に基づく」と例年確認した上で、学生の要求について「学部交渉」を実施している。

 

 懲戒処分制度をめぐっては、東大確認書で①新しい処分制度を「今後相互で検討する」②「学生・院生の正当な自治活動への規制となる処分は行」わない③「一方的処分はしない」──などが合意されている。81年に東大の評議会(当時)は「現行懲戒処分制度について」で、懲戒制度は「『確認書』の趣旨によって限定・修正」されているとした上で運用指針を定めている。東大の教育研究評議会は2004年、法人化に伴い「現行懲戒処分制度について」を廃止。05年から現行の「東京大学学生懲戒処分規程」を施行した。

 

 東大は東京大学新聞社の取材に対し、現行の学生懲戒制度は学内でのパブリックコメントに基づいて定められたと回答。04年11月24日発行の学内広報(NO.1301)でも「学生を含めた大学構成員に対するパブリック・コメントを実施し、慎重に審議を進めてきました」と説明する。

 

 04年の現行制度の制定にあたっては、教育研究評議会で「学生懲戒処分規程の実施にあたっての申合せ」も定められた。「申合せ」は、停学が卒業などに必要な単位認定に不利益をもたらす場合に、「適切と思われる措置を採ることができる」としている。

 

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