太陽の生贄
いのりさんと同世代に逆行してしまった司先生。以前と家庭環境は変わらない為にお金が無くて選手にはなれないし年齢的にコーチにもなれなくて絶望しつつも、それでもかつて自分が信じた唯一の教え子を導かんと奮闘する話。
※この司先生は度重なる不運で若干闇落ちしております
※言うほどのいのつか要素は無いかもしれませんが一応タグを付けてます
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明浦路司はスケートの神様に嫌われている。
この場合の神様は今なお司が恋焦がれる夜鷹純のことではない、そのまま文字通りの意味だ。お金もなく環境にも恵まれず、茨の道を歩き続けた司のスケーターとしての人生はお世辞にも幸運であったとは言い難い。無論、アイスダンスの選手として拾われたことは僥倖であったし、そこで得た瞳や洸平、珠那達といった仲間は何者にも変えられぬ宝物だ。しかしそれでも結局は選手としての道は断たれた。司はそれでも運がなかった自分を憂うことはない。その先で正に“幸運”とも言うべき存在と出会えたからだ。
結束いのり、司の大事な教え子にして正に彼の人生の福音である彼女はその泥に塗れた司のスケーターとしての人生を昇華させてくれた。何も彼女を介して己の夢を叶えたかった訳では決してない、しかし己のスケーティング技術や鷹の目を全て我がものとし、彼女が世界へと羽ばたいて行く様は司にとって救いでもあったのも確かだ。彼女の成長を見守り、導き、後押しすることが司の一番の目標であり生きる道標となっていた、彼女の活躍が何よりの楽しみだった。
遂に到達した最終舞台ともいえるオリンピックで彼女をリンクへ送り出す瞬間。既に涙を目に浮かべている司に苦笑し、しっかり見ていてくださいねと告げる少女、いや女性はいつの間にか随分と大人びているなとこの瞬間に漸く気付いたのだから我ながらどうしようもない。その言葉にしっかりと頷いて、彼女に声をかけて、そうして離れていくいのりの背を見た瞬間、司の視界は暗転した。
つっ!続きはどこですかーーーーー⁇