電力ゼロで雨水を純水にできる貯水システム。夏がこわいし家にも欲しいな…

電力ゼロで雨水を純水にできる貯水システム。夏がこわいし家にも欲しいな…
image: エコファクトリー / Image: Kent Hasegawa-generated with Flow

台風などは別として、なんだか雨の日がすくないなぁ…と夏の水不足が心配なところ。実際、「異常気象といえる」ほどの少雨が続いていますし、すでに群馬県など節水を呼びかけている地域も。

だからこそ、こんな発明品があったのか!と驚いたのが、熊本県熊本市に本社を置く株式会社エコファクトリーが開発した「ecowin ウォーター」。

雨水を「電力ゼロで」純水にできるシステムです。

image: <a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000174403.html">エコファクトリー</a>
image: エコファクトリー

ecowin ウォーターは先日、一般社団法人建築設備綜合協会が主催する「第24回 環境・設備デザイン賞」で優秀賞を受賞しました。この賞は、建築設備の分野で「感性・機能・社会・経済」の4つの視点から優れた設計を評価するアワードで、業界内では権威ある賞の一つとして知られているそう。

省電力で節水にもつながるシステム、いったいどんなものでしょう。

雨水はそもそも「キレイな水」という話

Image: Kent Hasegawa-generated with Flow
Image: Kent Hasegawa-generated with Flow

雨は、海や川の水が太陽の熱で蒸発し、上空で冷えて雨粒になって降ってきます。この過程はまるで自然の蒸留器

もっとも、降りはじめの雨は「初期雨水」と言われ、大気中の不純物や黄砂などを抱き込んでいるため汚れがあるのですが、30分ほど降り続けばキレイになっていくといいます。

そうして降ってきた雨水は、地下水や水道水よりも鉱物イオンなどの不純物が少なく、「純水」に近い状態。

つまり問題は、初期雨水を避けたうえで、屋根や雨樋を伝ううちに拾ってしまった砂埃やゴミを取り除くことにあります。

この「取り除く」作業を、電力なしにやってしまうのがecowin ウォーターのポイント。

ちなみに、一般的な水道水は塩素やミネラル、金属イオンなどが含まれているため、これらを取り除いて純水化するよりも、雨水を利用するほうがはるかに簡単というわけです。

Advertisement

電力無し、位置エネルギーで浄水する4ステップ

image: <a href="https://ecowinwater.jp/how-to/">エコファクトリー</a>
image: エコファクトリー

ecowin ウォーターの仕組みは「高いところから低いところへ水が流れる力(位置エネルギー)」と「ろ過フィルター」を使うこと。電源や薬品は不要です。

建物の外壁を伝う雨水管(竪樋)に後付けで設置したら、雨水を以下のプロセスで純水化します。

  1. 初期雨水分離槽:降り始めの汚れた雨水(初期雨水)を分離して除去
  2. 貯留分離槽:交換可能なろ過カートリッジフィルターで不純物をろ過・分離
  3. 精密濾過槽:0.5μm(0.0005mm)の細かさのフィルターでさらに精製
  4. 貯水タンク:浄化された純水を貯蔵する(増設も可能)
image: <a href="https://www.youtube.com/watch?v=BItnZzVq0yg&t=115s">JTECTチャンネル</a>(スクリーンショットから作成)
image: JTECTチャンネル(スクリーンショットから作成)

中でもカッコいいな〜と感じさせるのは貯留分離槽。ろ過カートリッジに加えて、旋回流を使った遠心分離、不純物の比重差による重力分離、ファンデルワールス力を使った重力分離と、物理的な手法を掛け合わせているんですね。

外部検査機関による水質検査では、水垢の原因になるシリカの含有量が0.3mg/L未満を確認。硬度・電気伝導度などの数値でも水道水を大きく下回り、「純水」と呼べるレベルの品質が確認できているといいます。

基本的なメンテナンスとしては、年1〜2回のろ過カートリッジやフィルターの交換が必要です。

「電気を使わない」ことが、これだけ強い

「電力不要」という一見すると地味な特徴が、実は大きなアドバンテージになります。

まずは省エネ・節電効果。純水を作るのにそもそも電力を使いませんし、このシステムで作った純水を空調の室外機に噴霧する「ecowinミストシステム」と組み合わせると、室外機の熱交換効率が上がり、約10〜15%の省エネ効果が期待できるそう。

水道水で同じことをやろうとすると、含まれている鉱物イオンが熱交換器に堆積してしまって、むしろ効率を下げてしまうことも…。

image: <a href="https://www.youtube.com/watch?v=BItnZzVq0yg&t=115s">JTECTチャンネル</a>
image: JTECTチャンネル

それから災害対策にもなります。なにしろ電力不要なら停電中でも動きます。断水中でも、雨さえ降れば純水を作り続けられます。生活用水はもちろん、飲用もできるので非常時には助かるでしょう。

すでに避難所としても使われる施設への導入事例もあります。「使いながら備えられる」という言葉がしっくりくる設計です。

Advertisement

水道代の値上がりが続くこの時代に

image: Image: Kent Hasegawa-generated with Flow
image: Image: Kent Hasegawa-generated with Flow

もうひとつ見逃せない文脈として、水道料金の値上がりがあります。配水料金の引き上げ、老朽化した水道管の維持・更新、原材料費や燃料費といった理由で、すでに値上げが進んだ自治体も出ています。

一般家庭でも頭の痛いところですが、もっと困るのは仕事で水を使う方々。たとえば、洗車や窓の洗浄などのサービスをされる方ですね。ここで雨水を活用できることの恩恵は大きいですし、さらに純水を使えるとなれば、水垢(ウォーターマーク)が残りにくいというメリットもあります。

雨水を資源として活用する仕組みは、こうした「水のコスト上昇」への現実的な答えのひとつになり得るでしょう。

現在は販売代理店や事業加盟店経由での販売となっており、主なターゲットは工場、ガソリンスタンド、商業施設、医療・福祉施設など、空調稼働負荷が高い施設です。

ecowin ウォーターは家庭向けではありませんが、そもそも僕らも雨水をうまく使えないかっていうのは、もっと考えていいのかも…!

Source: PR TIMES(株式会社エコファクトリー) , 株式会社JTECT , 株式会社𠮷田工業

Advertisement
Advertisement
Advertisement

Ranking

Ranking