陸自部隊の情報収集 「愛国心や性的嗜好は記録する必要ない」「身分隠して収集なら違憲の疑い」 木村草太・東京都立大教授に聞く
「1980年に経済協力開発機構(OECD)が採択した個人データ保護などに関するガイドラインでは、DBを作るときは、個人情報の収集目的を明確化し、その利用・収集をその目的の範囲に限定すべきだとしている。憲法13条からは狭い意味でのプライバシー権に加え、個人データの適切な処理を請求する権利も導かれる、とする議論も最近では有力だ」 -自衛隊の情報収集活動を巡っては2016年に仙台高裁が活動の違法性を指摘しました。 「仙台高裁では、公にされていない本名や職業などを収集したことについては違法と指摘したが、DBの管理・処理・漏えい対策の適正に焦点を当てなかった。DBの作成は目的外使用のリスクをはらみ、弾圧の例のように、差別的な不利益を受ける危険を作る」 -BSD報告書は公文書として扱われていないといいます。 「隊員の私的なメモなどとは考えにくい。公文書として扱い、憲法や個人情報保護法に則り適正に管理すべきだっただろう。目的を特定し、目的達成に関連ある情報だけを、適正な方法で集め、目的外利用は厳禁し、正確さを保つなど順守すべきルールは多くある。漏えい対策や管理責任者の設定などセキュリティー面も問題だ。アクセス権者や保管場所などを決めて適切に管理すべきだ」
-自衛隊はこの問題にどう向き合うべきですか。 「個人情報保護法などの順守を徹底する意識が低い。ルールを守らなければ国民の信頼を失いかねない。非難の目が向けられ、協力が得られにくくなると自衛隊の情報収集活動はしにくくなるだろう。雑な情報管理がされることは、安全保障の観点からも好ましくない」