ガチャ新方式の数理
(2026/7/29追記)
こちらの記述は、募集回数特典判明前のものとなり、特典の効果が一切無視されています。ご了承ください。
ブルアカ新ガチャ仕様(呼び出しチャージ)の数学 — 旧仕様とどちらが得か
2026年7月29日からガチャ仕様が変わります。旧仕様の「200連ごとの交換特典」が、新仕様では「呼び出しチャージ」(100連で50%、200連で確定、PU入手でリセット、募集をまたいで持ち越し)になります。
「ポイントが持ち越される代わりに、天井を何回も踏む人は損になるのでは?」という意見をよく見かけるので、期待値・分布・最適行動を厳密に計算して比較しました。結論を先に書くと:
少数確保(PU 3体まで)なら新仕様が安い。4体以上を一気に引くなら旧仕様が安い。
ただし旧仕様の「得」は、200の倍数ちょうどで止める・被りにも素体と同じ価値を認める、という条件つき。
初回入手(素体)の価値を被りの1.6倍以上と見るなら、旧仕様の理論最適プレイでも新仕様に勝てない。
神名文字パッケージ(課金購入)を考慮すると、損益分岐はさらに新仕様有利側にずれる。
計算はすべて厳密計算(マルコフ連鎖・DP)で行い、モンテカルロシミュレーションで検証しています。
1. 仕様のモデル化
共通の前提として、1連ごとのPU排出率は
旧仕様:
200連(200pt)ごとに交換特典でPU+1。
連時点の特典数はx 。\lfloor x/200 \rfloorポイントは募集終了でリセット。同時開催のピックアップ間では共有。
新仕様(呼び出しチャージ):
チャージ = 直近のPU入手からの連数。PUを入手すると0にリセット。
チャージが100に達する連は50%でPU、200に達する連は100%でPU。
チャージは募集をまたいで持ち越される。
つまり新仕様の1連のPU確率はチャージ
2. 基本量: 1体あたり何連かかるか
新仕様でPUを1体入手するまでの連数
旧仕様では、
です。
3. どちらが得か
100連: 0.70 / 0.95 (新+0.25)
199連: 1.39 / 1.81 (新+0.42)
200連: 2.40 / 2.00 (旧+0.40)
400連: 4.80 / 4.17 (旧+0.63)
1000連: 12.00 / 10.82 (旧+1.18)
200の倍数の「直前」では新が有利、「ちょうど」では旧が有利です。旧の特典は200の倍数でだけ発生する階段なのに対し、新は連続的に救済が効くためです。
PUを
1体: 107.8 / 90.1 (新が17.7連安い)
2体: 192.6 / 180.1 (新が12.5連安い)
3体: 274.5 / 270.2 (新が4.2連安い)
4体: 357.6 / 360.3 (旧が2.7連安い)
6体: 524.4 / 540.4 (旧が16.0連安い)
損益分岐は3体と4体の間。少数確保なら新仕様、1つの募集で大量に引くほど旧仕様が安くなります。
4. 分布で見る: ブレはどうなるか
2体確保までの連数
期待値: 旧192.6連 / 新180.1連
中央値: 旧200連 / 新175連
: 旧75.5% / 新64.1%P(T_2 \le 200) : 旧87.8% / 新94.7%P(T_2 \le 300)最悪値: どちらも400連
旧は「ちょうど200・400連」に確率が集中するスパイク型、新は150連前後から立ち上がるなだらかな分布です。「上振れしやすいのは旧、大事故が起きにくいのは新」と読めます。
5. 新仕様は「戦略プルーフ」
新仕様のPU確率はチャージだけで決まり、チャージの動きはプレイヤーの選択(どの募集を引くか、いつ止めるか)に影響されません。つまり どんな引き方をしても長期レートは1000連あたり11.10体で固定 です。テクニックの介入余地がない代わりに、引き方で損をすることもありません。
一方、旧仕様はポイントが募集終了で消えるため、引き方でレートが変わります。1募集あたり
で、停止時刻が確率的な場合も Wald の等式から
目的別にまとめると:
入手数最大化(被りも1体と数える): 旧・最適 12.00体/1000連 > 新 11.10体/1000連
収集(欲しい生徒を1体ずつ): 旧・最適 107.8連/体 > 新 90.1連/体(新が17%安い)
旧最適の12.0体の内訳は「新規5.0体+被り7.0体」。被りに素体と同じ価値を認めるときだけ旧最適が勝つ、というのがこの比較の核心です。
6. Wピックアップの場合
同格2募集の同時開催で、ポイント(チャージ)は募集間共有、常に未所持側を引くとします。ちなみに新仕様では「どちらの募集から引くか」は結果の分布に影響しません(証明もシミュレーション検証もしています)。
両方1体ずつ確保: 旧192.6連(96.3連/体)、新180.1連(90.1連/体)。
1体目が
連目に自然に出た後の2体目: 旧は残りj 連で交換確定(上限付き幾何分布)、新はチャージが0に戻るので期待90.1連。損益分岐は200 - j 。58連目までに1体目が出てしまうと旧が不利、59連目以降なら旧が有利です。j = 58
旧仕様の「溜まったポイント」は確定交換までの残距離に直結するぶん価値が高く、逆に新仕様は1体出るとチャージがリセットされる。この違いがWピックの後半戦に効きます。
7. 初回ボーナスを考慮すると: 本題
ここからが本題です。ブルアカには初回ボーナスがあるため、同じPUでも「その募集で最初に引く1体」の価値は被りより高い。未所持なら未所持を脱せますし、所持済みでも神名文字が倍入ります。そこで 素体(初回)の価値を被りの
結果(1000連あたりの体相当、常時Wピック仮定):
: 旧最適 12.00 > 新 11.10 → 旧の勝ちw = 1.0 : 旧最適 16.75 > 新 16.65 → 旧の勝ち(僅差)w = 1.5 : 損益分岐w \approx 1.60 : 旧最適 21.87 < 新 22.20 → 新の勝ちw = 2.0 : 旧最適 32.39 < 新 33.31 → 新の勝ちw = 3.0
初回の価値を被りの1.6倍以上と見積もるなら、旧仕様がどれだけ上手にプレイしても新仕様に勝てない という結果です。倍率をどう見るかは各自のプレイスタイル次第ですが(諸説あります)、初回ボーナスの内容を考えると2倍程度の見積もりは決して過大ではないと思います。
しかも、
8. 神名文字パッケージ(課金購入)を考慮すると
モデル
素体確保後、16.5連相当の課金1回でPU 1体相当(重み付けモデルでは1.2体相当)を購入でき、キャラごとに最大2回使えるとします。購入単価は16.5連/体で、ガチャの限界コスト(旧83〜/新90連/体)より大幅に安い。したがって どちらの仕様でも「素体を確保したキャラの購入枠2回は必ず使い切る」のが最適 で、方策の自由度はガチャ側(いつまで引くか・いつ撤退するか)だけに残ります。
新仕様側の方策
新仕様は戦略プルーフなので、方策は一意に定まります:
ガチャを引いて素体を1体確保する(期待
連)E[T_1] = 90.07そのキャラの購入枠を2回使う(コスト33連相当、+2.4体相当)
次のキャラへ(チャージは持ち越し)
このサイクルのレートは
旧仕様側の方策の比較
旧仕様は撤退のタイミングで方策が分かれます。代表的なものを
200→400完走型(200連引き切り→交換→自然引き0なら400ptまで続行→購入): 24.72
200→400撤退型(200以降は2体揃い次第撤退): 25.46
200厳守型(毎開催200連ちょうど+交換→素体を取れたキャラ数だけ購入): 25.63
収集完走型(共有ptで両方確保
連→4回購入66連相当→次の開催): 26.29E[T_2] = 192.6理論最適方策(DP): 27.15
(参考)新仕様+購入: 27.63
旧・理論最適方策の中身
所持0体: 常に続行。
所持1体:
なら撤退(1体目が46連目までに出たら、もう1体を見捨てて次の開催へ)。t \le 46 なら200pt交換まで続行。交換で2体目を確保した後も同じ構造が繰り返され、t \ge 47 なら撤退、200 \le t \le 246 なら400pt交換まで続行。t \ge 247所持2体(被り狙い):
または165 \le t \le 199 、つまり 次の交換まで35連以内のときだけ続行。それ以外は撤退。t \ge 365
言葉にすると「1体目が早く出た開催は見捨てて撤退、遅く出た開催だけ天井まで走る。両方揃った後は、交換が目前のときだけ被りを拾いに行く」。ポイントという資産を持つ旧仕様では、その資産価値(交換までの残距離)が方策を支配し、こういう直感に反する損切りが最適になります。持ち越しのある新仕様では、この種の判断そのものが不要です。
損益分岐の観点でも購入は新仕様に有利に働きます。
1体: 107.8 / 90.1
3体: 140.8 / 123.1
5体: 307.5 / 303.2
6体: 390.6 / 393.3
10体: 724.1 / 753.6
損益分岐は5体と6体の間で、購入なし(§3)の「3/4体」から後ろにずれます。つまり 「大量に引くときの新仕様の不利」は課金パッケージがかなり緩和してくれる わけです。
9. おまけ: 神名のカケラ収支
★3=50、★2=10、★1=1個(全て被り前提)で換算すると、新仕様のチャージ100/200到達連は★3確定なので、カケラのレートも新がわずかに上です。
通常(★3 3%): 旧5.09個/連 / 新5.15個/連(+1.2%)
フェス(★3 6%): 旧6.53個/連 / 新6.59個/連(+0.8%)
差は小さく、結論を左右するほどではありません。
10. まとめ
新仕様は「どう引いても1000連あたり11.10体」。旧仕様は最適プレイ(200の倍数厳守)で12.0体だが、その差は被りを素体と等価に数えたときの話。
少数確保(3体まで)・収集プレイ・Wピックの序盤引きでは、単純な期待値でも新仕様が安い。
初回ボーナスの価値を被りの1.6倍以上と見るなら、旧仕様は理論最適ですら新仕様に勝てない。しかもその理論最適は「1体目が早く出たらもう1体を見捨てる」ような方策。PUが2人とも強い場合は損する。
神名文字パッケージ込みなら、素体の重みによらず旧の理論最適 < 新。少数確保の損益分岐も5〜6体まで後退する。
「天井を何度も踏む人は損」という直感は、素引きの体数だけを見れば正しいのですが、初回ボーナス・現実的なプレイ・課金オプションまで含めると、新仕様はむしろ多くのプレイヤーにとって得な変更だと考えています。自分の石の所持状況やプレイスタイルに当てはめて考えてみると面白いと思います。
(モデルは意図的に簡素にしています。倍率


未だアカウントの総計ではなく、期間毎にリセットされる表というのが体感的に理解しにくく、、、 愚鈍な私めに解説願いたい
そうですね。端数リセットなども含めて最適なものだったり複数の戦略を考察して比較しています
旧仕様の早目に出た時200まで続行するのかポイントを捨てるのかの判断を求められる。200近くで目的を達成した時に200まで回し切る事を求められる。200連1セットのガチャ戦略に対する不満があったので、それが解消される方向であると確率的にも明らかなのは個人的には嬉しい。 まあ、そんなに凸しない…
やんけいおりさん 日本語が分からず、機械翻訳で拝読・投稿しています。失礼があればすみません。 E[T₁]=90.07連、1000連あたり新11.10体/旧12.0体という数字は、こちらの計算とも一致しました。 新システムの優位は初回の約17.7連の先行分で、以降は1体につき約6.7連ずつ縮まっていくよう…
図はアカウント全体で累積で見ています。 旧仕様の場合は、「200連に達せずに目標に到達した場合、天井交換のためのポイントを捨てるか、そこそこの嬉しさの天井に向かうか」という2択を強制させられるという点があります。 そこも考慮して初回入手ボーナスを考慮した際にどうなるか、というのが…
Xを見てると「190連目で引いたら~」とか言ってる奴ばっかりだが、PU1枚も引かず181~190連目でPU引く確率なんてざっくり0.98%くらいなんだよなぁ。そんな薄い確率に悲観的になってもしょうもないし、「自分は引いたことある」ってコトをマトモな反論だと勘違いしてる人が多すぎる。