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matsuda2772
【詩】暖炉の火
【詩】暖炉の火
【詩】暖炉の火
鳥になった貴方のため
毎晩 小さい窓を開けときます
豆電球みたいな声で
「なんでもないよ」と言わないで
風になった貴方のため
毎朝 着替えて散歩に出かけます
どうせ暖炉の火になるくせに
くしゃりと笑うのが憎たらしい
雪になった貴方のために
毎年 新しい恋人と雪合戦をします
いつか
「我ら、二人きり」と
すべての行為が祈りになるまで
今世も来世も
ただくしゃりと笑います
【ZINE】青山杜甫 2026年 作品集.6
【目次】ZINEの収録作品
-収録作品
【詩】水
【詩】報復
【詩】惑星
【詩】皮肉
【詩】お節介
【詩】お返し
【詩】涙.zip
【詩】暖炉の火
【詩】ぎゅーっと
【詩】がんばったね
【紹介】今回のZINEについて
やさしい言葉ほど、
信じられなくなった。
「大丈夫?」も、「がんばったね」も、
どこか嘘に聞こえる時代。
それでも私たちは、
未読無視の画面を見つめ、
返ってこない声に祈り続けている。
わたしの詩は、
答えを与えないまま、そばに立つ。
この作品集は、
傷ついた心を治す本ではない。
傷ついたまま、生きていいと許す本だ。
過剰な比喩も、思想の誇示もない。
ただ、静かに、あなたの隣に置かれる言葉。
読むのは、元気なときじゃなくていい。
灯りが消えかけた夜に、開いてほしい。



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