取材に応じる後藤裕明医師(左)と松葉菊子さん=3月
取材に応じる後藤裕明医師(左)と松葉菊子さん=3月
神奈川県立こども医療センターに保管されているカルテ=3月

 幼少期から続いた母親の虐待。横浜市の安食聖さん(36)は大人になった後、母に対して民事裁判を起こし、3500万円の賠償命令を勝ち取った。法律関係者から「奇跡」と呼ばれた勝訴判決だった。

 虐待が裁判でなかなか認められないのは、家庭内での出来事で外部から分かりにくい上、子どもの頃の被害で記憶が定かでなく、時間も経過して証拠が残りにくいためだ。

 安食さんの裁判で立証の決め手になったのは、病院に残されていた30年前のカルテ。虐待を認定する最強の証拠と言える。被害者支援の観点から長期保存を求める声が上がるが、病院にとっては重い負担になり、簡単ではない。

 一方、安食さんのカルテを残した神奈川県立こども医療セン...

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