●高岡・御三家の一角再起へ好材料 伏木・震災復興途上100周年も目前
富山県教委が県立高の再編案を公表した22日、高岡市内では関係者の喜びと動揺が交錯した。2033年度に県内初の中高一貫校を設けるとされた高岡高の関係者は「さらに魅力を高め、中高一貫につなぐ」と意気込んだ。一方、30年度末での閉校が示された伏木高は、来年の創立100周年に向け準備を進めていたさなか。能登半島地震からの復興を進める地域のよりどころでもあり、OBらは「学校までも奪われるのか」と悲嘆に暮れた。
難関大の合格実績で知られ、富山、富山中部と並び「御三家」の一角を占める高岡。近年、志願倍率は低下傾向で、探究科学科は25、26年度と2年連続で定員を割った。魅力向上策が求められていた中で、県内初の中高一貫校開設は再起の好材料となる。
約7年後に開設予定の中高一貫校では、中高の生徒混合でより深い探究活動を行う。亀谷卓朗校長は県教委の方針を「何度も検討された内容であり、尊重したい」と受け止めた。
●若者増「まち変わる」
北陸新幹線開業後、高岡のにぎわいは新高岡駅周辺へと移り、高岡高の周辺は空洞化が懸念されてきた。学校近くでソフトクリーム店「CHILL(チル) OUT(アウト)&スイーツ畑」を営む山崎勇人社長(58)は「中高一貫で若者が増え、まちが変わるかもしれない」と歓迎。学生が集える新店舗の開業に期待する声もあった。
周辺には市役所や高岡工芸高、高岡龍谷高があり、通勤時間には道路混雑もみられる。市民の一人は「中高一貫校で生徒が増えれば、さらに渋滞が心配だ」と市に対策を求めた。
●「地域の衰退さらに」
1927(昭和2)年創立の伏木商業学校を前身とする伏木高では、同窓会が来年10月に開く100周年記念式典や記念誌製作の準備を進めていた。
節目を暗転させた一報に、同窓会長で伏木校下自治会連絡協議会長でもある山崎泰邦さん(73)は「復興も終わっていない段階で高校がなくなると、さらに地域の衰退が進む。住民のショックは大きい」と憤りをあらわにした。
伏木は近年定員割れの状況が続き、危機感を募らせたOBや住民が昨年8月、魅力向上策を話し合う将来構想検討会を設けていた。同窓会副会長の増井修さん(75)は「生徒数が減り、閉校は時代の流れなのかもしれない。不満はあるが、決まったことなのだろう」と諦めの表情を浮かべた。
伏木高では吉國陽子校長が職員に県教委の方針を説明。取材に対し「115人の在校生がおり、2年間は新入生も入ってくる。今まで以上に生徒の成長につながる教育を行いたい」と硬い表情で話した。
高岡市の出町譲市長はコメントを発表し、中高一貫校の開設を「探求活動など新しい教育の充実に大きな期待を寄せている」と歓迎した。伏木の募集停止は「長い歴史を刻んできた在校生や卒業生、地域住民の気持ちを察すると大変残念」とした。