「イオンモール熊本」爆発事故 なぜこれほど大規模な被害に? 元東京消防庁・特別救助隊の専門家が徹底解説
■「1時間以上かけてガスが充満していった」
2階の南側に損傷が集中している一方、飲食店が入居する1階のレストランや2階東側のフードコートとは離れた場所が最も被害を受けていました。 LPGは空気より重く、本来は下方向に滞留する性質を持ちます。それでも2階の損傷が激しかった理由について、田中氏は「2階のフロアにかなりLPGが充満していたのではないか」と述べました。 そして爆発の規模については、「空間自体が広いので、時間をかけて、1時間少しかけて少しずつガスが漏れた結果、これだけ爆発範囲に入って何らかの着火物がついて、大きな爆発につながった」と分析します。 また、イオンモールは吹き抜け構造を多く持つ設計であることも、1階・2階を問わず被害が広がった要因の一つと田中氏は指摘しています。
■着火のきっかけは「目に見えないスパーク」の可能性も
今後の調査では、ガス配管のどこで漏えいが発生したかを特定することが最初のステップになるといいます。 【田中章氏】「ガスの配管がどこにあったのか、どこが漏れた箇所だったのかを特定して、着火物は何なのかを調べることになる」 着火のきっかけとして考えられるのは、フードコートのコンロの火だけではありません。 「コンセントを抜き差ししたときにも火花が出ます。また静電気でも火花が発生しますので、そういった目に見えないスパークで爆発する可能性もある」として、原因の特定には時間がかかるとの見通しを示しました。
■なぜ爆発が大火災に発展しなかったのか
爆発が大規模だったものの、火災が発生しなかった点については…。 【田中章氏】「漏れたガスが燃え尽きてしまって、爆風とともに外に出た。大きな爆風で、少し燃えたものがあったとしても消し飛ばされてしまったという考えです。 物が燃えるのには、ある程度高温にならないといけない。ものが高温になる前に、ガスが燃え尽きてしまったという理解でよいと思う」
■安全装置はなぜ機能しなかったか
大型商業施設には、法令上、防災センターの設置と24時間365日のモニター監視が義務づけられているということです。当然、ガス漏れ警報機や緊急遮断弁も設置されているはずです。 【田中章氏】「これが機能しなかったというのは、何か地震によって影響が出ていたと思います」 2016年の熊本地震でも被害を受けたイオンモール熊本は、その後、ガス管を含め新耐震基準に基づいて再開していました。それでも今回の地震が、安全装置の作動に何らかの影響を与えた可能性が否定できない状況です。 詳細な調査の結果が注目されます。 (関西テレビ「newsランナー」2026年7月29日放送)
関西テレビ
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