警官が発砲→「適正だったか調査」するわけ 実は銃を構えただけで警察本部長まで報告...現場が萎縮しないか
薬きょうまで本部に送付させる
現場の警察官は、状況を見て即座に「適正」な判断を求められるだけではなく、拳銃を使ったあとには非常に細かな手続きが待っている。 いや、正確に言えば、一発も撃たずに銃を構えただけでも厳格なルールが適用されるのだ。 愛知県警の「拳銃・警棒等の使用及び取扱要綱」には、「拳銃を使用した場合」とは、相手に向けて構えた場合と撃った場合の双方を指し、警察官は直ちに日時・場所・危害の内容・使用の理由を所属長に報告しなければならないことが記されている。 報告は首席監察官を経て警察本部長まで上がり、所管所属長が「拳銃の使用についての適正又は不適正の判断を行うために必要な調査等」を行うと明記され、薬きょうまで本部に送付させることになっている。 これらは、警察官を疑うための制度ではなく、国家が市民に銃口を向けた事実を記録に残すための制度だと言えるだろう。 ちなみに、威嚇射撃は空砲ではなく、上空その他の安全な方向へ実弾を撃つ行為で、その薬きょうを見つけなければいけないことになる。
警察官には、警棒と拳銃の間に武器がない
制服警察官が携行しているのは警察手帳、耐刃防護衣、手錠、警棒・拳銃、携帯無線機・無線受令機、警笛となっており、このうち制圧に使う武器は警棒と拳銃だけだ。 そもそも、至近距離から対象を叩くための警棒と、殺傷力の高い拳銃との間に、制圧のための武器がないのである。 アメリカやカナダの警察では、対象に2本の針を刺し、電流で5?10秒間行動不能にする、低致死性のテーザーガンが配備されている。 松原仁氏は、衆院議員だった2021年以降たびたび、テーザーガンの採用を求める質問主意書を提出している。 だが、時の政府は「新たな装備資機材の整備及び活用の在り方については、引き続き検討中である」という答弁にとどまっている。 今年、最新作が公開される『踊る大捜査線』の名台詞ではないが、事件は現場で起きている。 事件の凶悪化が叫ばれる日本において、現場に即した議論が速やかに行われるべきではないだろうか。