イオン爆発「内圧高まり、壁ごと破壊」 爆風が伝播か、専門家の見方
イオンモール熊本(熊本県嘉島町)で28日、地震後に発生した爆発。なぜ壁が壊れるような大きな爆発に至ったのか。
原因ははっきりしていないが、政権幹部は建物の設備からLPガスが漏れたとの見方を示した。政府関係者によると、建物内にガスが充満しており、ガスの元栓を閉めたうえで、救助に入ったという。
施設は2階を中心に建物が損壊している。
東京大の茂木俊夫教授(火災・爆発安全)は「激しく破壊されている辺りに可燃性ガスが滞留し、空気と混合して何らかの着火源があって着火。爆発に至ったと想定される」と話す。
弱い圧力で壊れる窓ガラスなどがないと、内圧が高まり、今回のように壁ごと破壊されることになるという。
施設の1~2階は吹き抜けの構造で、「爆風圧が高まりにくい構造」という。「バックヤードのような空間で爆発が起こり、壁が破壊されて屋外や店舗内に爆風が伝播(でんぱ)したのではないか」とみる。
東京理科大の桑名一徳教授(火災科学)は空撮画像から、イオンモール熊本には大容量のLPガスタンクとみられる設備があったと指摘する。
「地震で壊れた配管から時間をかけて大量のガスが漏れ、大きな空間の中で空気と混ざり、何らかの着火源によって爆発したと考えられる」
大空間では、爆発の伝播速度が音速を超えるような「爆轟(ばくごう)」現象が起きることは考えづらいが、通常の爆発でも秒速数メートルから数十メートルの速度で広がるという。伝播速度が速いほど、威力は高まる。
電気をつけるためのスイッチを押したときに発生する火花なども着火源になる。外部に通じる扉が開いていても、配管から漏れる量が多ければ爆発につながるという。
桑名さんは「家庭でもガス漏れの可能性があれば、なるべく電気を触らないようにしてほしい」と呼びかける。
東京大の廣井悠教授(都市防災学)は、ガスによる爆発の断定を避けつつ、「今後の調査次第だが、可燃性ガスを含む何らかの可燃物が空気と混じるなどして、後発地震による火花や何らかの着火源によって着火し、爆発が広がった」とみる。
廣井さんは地震時に揺れの影響を受けた建物への避難の難しさを指摘する。熱中症を避けるために建物内に滞在するという選択も現実にありうるからだ。
建物の安全確認について、廣井さんは「耐震性を確認することが多いが、火災や爆発のリスク、危険物の管理などもオールハザードでチェックする必要があり、今後の教訓となる」と話す。
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