金銭授受問題に揺れる“福岡県政のドン”蔵内勇夫・県議会議長に新疑惑浮上 地元に整備した筑後広域公園の指定管理者は身内企業、利益相反の可能性
「議長就任のために金を要求された」――議長経験のある県議の告発が発端となった福岡県議会の金銭授受疑惑で追及の渦中にあるのが蔵内勇夫・県議会議長だ。麻生太郎・自民党副総裁をはじめ、多くの大物国会議員を輩出する福岡にあって"県政のドン"と呼ばれる人物である。その権力基盤が今、大きく揺らいでいる。現地で何が起きているのか、ノンフィクション作家の広野真嗣氏が迫る。(文中敬称略)【前後編の後編】 【写真】県営公園のモニュメントの除幕式 蔵内勇夫氏に向けて拍手を送る服部誠太郎・福岡県知事
「クリーンな政治家」という出発点
蔵内は、どのように自らの権力増強のメカニズムを仕立てていったのか。 1953年に筑後市で生まれた蔵内勇夫の旧姓は、山口である。日本大学農獣医学部を卒業後、1年余り臨床獣医師として勤務。 そして1980年、衆議院議員(6期)から参議院議員に転じた蔵内修治の姪に婿入りするかたちで結婚。ここから叔父の秘書として政治キャリアをスタートさせている。 1983年に県議選に無所属で初挑戦した当時に支援者だった人物が当時の蔵内像を振り返る。 「ものすごくクリーンなイメージの29歳。実際、金権政治を批判して、『何もない蔵内です』みたいにアピールしてね。私たちも若い政治家を望んでいましたから」 確かに、ロッキード裁判が行なわれるなか、自民党への逆風が強まった時期だ。 新人4人で争ったこの時、蔵内自身は45歳の経営者の候補にわずか742票差の次点に泣いたが、次の1987年では形勢逆転。現職に4000票以上の差をつけ勝利すると、1995年の3期目からは自民党県議として活動し始める。 ただ、清廉さとは真逆の話もある。その後のある時期、自民党筑後支部長の蔵内の下で幹事長を務めたある市議が語る。 「私は支部役員から排除されたんです。それは私が党員、住民目線で意見を言うから。彼はイエスマンでないと我慢できない。私は権力志向が強い男ちゅうに見とった」 蔵内の過去10回の当選のうち、じつに7回は無投票再選。関係者によれば市議会の大半を占める保守系をまとめてきたのがこの市議だったというが、敵と見なせば切り捨てるのが蔵内だった。
【関連記事】
- ◉はじめから読む →【福岡県議会2000万円金銭授受疑惑】告発者の吉松源昭県議を直撃 「麻生太郎氏が渦中の県議会議長の失脚を狙った」との陰謀説への見解は
- 《世耕弘成氏vs鶴保庸介氏の和歌山戦争が勃発》世耕氏の自民党復党の是非で燃え上がる“新たな抗争” 犬猿の仲だが「自信家の性格もそっくり。陰口を叩き合っている」
- 《高市首相の経歴疑惑》米国時代の“上司”が証言「彼女はデンバー事務所のインターンだと認識していたが、厳密に言えばフェローだった」
- 高市事務所周辺で展開される「サナエビジネス」の構造 総裁選や宣伝活動で貢献した会社がサナ活グッズビジネスに深く関与
- 茂木敏充・外相が自民党差総裁選ですがった有力団体「ちんたい協会」に党員水増し・代理投票疑惑“幽霊党員の票がまとめて茂木氏に流れていた”