熊本県で震度7 イオンモール熊本の爆発はガス漏れか、10人安否不明
28日午後4時27分ごろ、熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を観測する地震があった。同県嘉島町の「イオンモール熊本」で爆発が発生。日本製紙八代工場(同県八代市)では2人が心肺停止となり、合わせて19人が安否不明となった。建物倒壊や火災も各地で相次いだ。
国内で震度7を観測したのは2024年の能登半島地震以来。気象庁は記者会見で震度7の地震が続いた16年4月の熊本地震に言及し「1週間程度、特に今後2、3日は強い揺れに注意してほしい」と呼びかけた。
イオンモール熊本では地震で来店客らを避難させた後、爆発が起きた。総務省消防庁によると、2階部分が崩落し、多数の人が閉じ込められた。
県によると4人が救助され、いずれも意識はあるが10人の安否が不明。警察関係者によると、建物内に従業員ら20〜30人ほどが取り残されたとの情報もある。
政府高官はガス漏れが原因の可能性があるとの見方を示した。イオンは原因や被害の詳細を確認中という。
日本製紙八代工場では煙突の一部が折れて倒れた。県によると、11人が閉じ込められ、2人を救助したが心肺停止。9人の安否は分かっていない。
熊本県警などによると、県内で家屋倒壊12件、家屋閉じ込め4件が確認された。火災も8件発生した。
総務省消防庁によると、熊本、長崎の7市町で一時約26万1千人に避難指示が出た。国土交通省によると、熊本県内14万戸で断水が発生した。
警察庁によると午後10時現在、九州地方で計260件の110番通報が寄せられた。同庁長官をトップとする非常災害警備本部を設置し情報収集に当たる。
熊本城では石垣が複数箇所で崩れた。熊本城総合事務所によると、観光客などのけが人は確認されていない。安全が確認されるまで臨時休園する。熊本城は16年の地震で大きな被害を受け、52年度の復旧に向けて長期的な修復作業が続いていた。
JR九州は新幹線や在来線など全線で一時運転を見合わせた。九州新幹線の乗客や新八代駅にいた利用客ら計13人がけがをした。
西日本高速道路(NEXCO西日本)によると、九州の高速道路で段差やひび割れが複数確認され一部区間が通行止めになった。熊本空港は滑走路が一時閉鎖された。
九州電力によると、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)や川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に異常は確認されていない。
気象庁は今回の地震を「令和8年熊本地震」と命名した。同庁によると、震源地は熊本県熊本地方で、震源の深さは約16キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7.1と推定される。
気象庁は一時、有明・八代海に津波注意報を発表した。建物の高層階をゆっくりと揺らす「長周期地震動」も観測され、同庁によると、宇城市と八代市で立っていられないレベルの「階級4」が発生した。
熊本県内ではその後も大きな揺れが続いた。気象庁は28日午後8時までに震度7を含めて震度5弱以上の揺れを4回観測したと発表した。
各地の主な震度は次の通り。
震度7=熊本県宇城市、氷川町▽震度6強=熊本市南区、八代市、宇土市、熊本美里町、益城町▽震度6弱=合志市、大津町、西原村、御船町、上天草市、芦北町▽震度5強=熊本市中央区、東区、西区、北区、山鹿市、菊池市、菊陽町、水俣市、天草市、津奈木町、長崎県南島原市、鹿児島県薩摩川内市、さつま町、長島町▽震度5弱=熊本県玉名市、和水町、山都町、苓北町、阿蘇市など
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(更新)- 青木慎一日本経済新聞社 編集委員ひとこと解説
前回の熊本地震では布田川断層帯と日奈久断層帯の北端が引き起こしました。今回は日奈久断層帯の南西に広がる部分が震源とみられます。30年の発生確率が北部側が最大で6%、南側が同16%と、直下型地震としては非常に高いグループに入っています。熊本地震と同じマグニチュード7クラスの地震を起こす可能性が指摘されていました。 日奈久断層帯は今回の震源に近い宇城市から鹿児島県北部に伸びています。今回活動しなかった「割れ残り部分」の断層が大地震を引き起こす可能性があり、警戒が必要です。
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