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「歴史修正主義」という言葉を、今後は使わないようにする。
この間、Xで関東大震災の朝鮮人虐殺は無かった、とする勢力に対して、「歴史修正主義」という言葉を用いて批判したところ、「修正って、間違いを正すって意味でしょ? 歴史修正主義の何がいけないの?」と言われて、ハッとした。
「修正」という言葉が持つポジティブな意味を、排外主義者たちが利用しているーー。
10:56 AM · Jul 19, 2026
歴史研究は、新しい史料や視点による「修正」を通じて更新され続ける営みだ。
「歴史修正主義」という言葉は、「歴史は決して動かしてはならないものだ」と言っているかのような印象を相手に与えてしまう。
批判すべきなのは、
⚫︎加害の事実を「無かった」と否認する。
⚫︎被害者側にも非があった、として加害を矮小化する。
⚫︎植民地支配や戦争犯罪を美化・正当化する。
などの言説や運動である。
今後は、「歴史否認主義」「歴史抹消主義」という言葉を使っていこう、と思う。
ごめんください。ご存じかもしれませんが、フランス語では、柳さんが懸念されるように、「修正」の語を悪用させないためもあって、歴史修正主義のことをnégationnismeと呼びます。歴史家アンリ・ルソーの提唱が一般化しました。「(歴史)否定主義」または「否認主義」と訳されることが多いと思います。柳さんを応援しております。
欧州が「歴史修正」ではなく「歴史否認」と言い換えたのは、歴史研究における学問的な通説の見直しと、ホロコースト否定論者のように加害の事実を歴史から抹消しようとする思想・行為・運動とを切り分けるためですね。
日本では、「歴史修正主義」という言葉が、新聞から SNS まで慣用的な批判語として流通し、「歴史否認主義」という呼び方は浸透していません。
自国に都合の悪い加害の歴史を否定し抹消しようとする思想・行為・運動を指すときには、「歴史修正主義」ではなく、「歴史否認主義」あるいは「歴史抹消主義」と呼びかえるべき段階にきていると思います。
本当は、1997年に結成された社会運動団体「新しい歴史教科書をつくる会」に対して、「歴史否認主義」「歴史抹消主義」という言葉で論戦すべきだったのだと思います。
「つくる会」結成から約30年ーー、日本社会はさらに右傾化し、極右政党まで誕生しましたが、彼らの主張を極右だと感じないような危険な空気が強まっています。
SNSの普及と共に、日本人の歴史認識と政治への関わり方がこの30年でどのように変化してきたのかを、振り返る時期に来ている気がします。
自民党内でアジア外交やリベラルな姿勢を重んじた「ハト派」が縮小し、「タカ派」が主流となってしまいました。
「ハト派」的な役割を担っていた公明党が連立政権から離脱したことによって、自民党内の右傾化へのブレーキが機能しなくなりました。
かつては極右として扱われた主張が政治のセンターへと躍り出てきています。
排外的・差別的な主張が、票に結びつくのが怖いところです。
どうなるのかな、日本は……
かつては戦後民主主義・国際協調に基づく当たり前だった言説に、「反日」「ビジネス左翼」「利権リベラル」「中国のスパイ」「中共の工作員」というレッテルが貼られる世の中になってしまいました。
政府批判、排外主義者・差別主義者への批判が、
「国家への攻撃・裏切り」という文脈にすり替えられる現状を強く危惧しています。
大きく右へスライドしてしまった日本社会のセンターラインを、どうしたら真ん中に戻せるのか?
このまま、どんどん右傾化するのか……
わたしの芥川賞受賞を記念するサイン会が、ある右翼団体を名乗る脅迫状によって中止に追い込まれた「サイン会中止事件」と、
「新しい歴史教科書をつくる会」結成が、同じ年です。
1997年。
30年後に、日本がこんなに右傾化するとは想像だにしませんでした。