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危険運転致死傷罪を適用する数値基準盛り込んだ改正法が施行

(更新)

飲酒運転や高速度での走行に危険運転致死傷罪を適用する数値基準を盛り込んだ改正自動車運転処罰法が21日、施行されました。飲酒運転は呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上で適用されます。

6月に成立し、21日に施行された改正自動車運転処罰法では、危険運転致死傷罪を適用する数値基準が新たに設けられました。

▽飲酒運転は体内アルコール濃度の検査で、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上としています。

▽高速度での走行は、主に一般道路の最高速度が時速60キロ以下の道路は、その速度を50キロ以上超えた場合、主に高速道路の最高速度が時速60キロを超える道路は、その速度を60キロ以上超えた場合としています。

また改正道路交通法もあわせて施行され、数値基準のなかった「酒酔い運転」について、危険運転と同じ体内アルコール濃度の検査で、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上で適用されます。

今回の法改正は、交通事故の遺族などから危険運転致死傷罪の適用要件があいまいだとして数値基準を設けるよう求める声が相次いだことも背景に行われました。

法務省は、適切な運用に向けて内容の周知に努め、事故の抑止につなげたいとしています。

改正法の内容は

改正自動車運転処罰法には、飲酒運転や高速度での走行に危険運転致死傷罪を適用する数値基準が盛り込まれています。

具体的には、飲酒運転は体内アルコール濃度の検査で、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上で適用されます。

これについて政府は、一般的に目安として、体重がおよそ60キロの人がビールを大瓶2本、もしくは日本酒を2合程度飲んだ場合、30分ほどたったあとに検出される量にあたると国会で答弁しています。

また、数値基準にかかわらずアルコールの影響で正常な運転が困難な場合にも適用されます。

高速度での走行は、主に一般道路の最高速度が時速60キロ以下の道路は、その速度を50キロ以上超えた場合としています。

また、主に高速道路の最高速度が時速60キロを超える道路は、その速度を60キロ以上超えた場合としています。

例えば最高速度が時速30キロの一般道路では80キロ以上で、最高速度が時速100キロの高速道路では160キロ以上で適用されます。

これに加え、基準に準じる速度で道路や交通の状況に応じて重大な危険を回避することが著しく困難な場合なども対象となります。

さらに、タイヤを滑らせながら走る「ドリフト走行」などで進行を制御することが困難な状態で車を走行させる行為にも適用されます。

このほか改正道路交通法には「酒酔い運転」の数値基準が新たに盛り込まれ、危険運転と同じ体内アルコール濃度の検査で、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上で適用されます。

これまでの経緯と今後は

交通事故の罰則をめぐっては1999年に東京の東名高速道路で飲酒運転の大型トラックが乗用車に追突し3歳と1歳の幼い姉妹が亡くなった事故をきっかけに厳罰化を求める声が広がり、2001年に「危険運転致死傷罪」が新設されました。

現在、刑の上限は拘禁刑20年で、拘禁刑7年の過失運転致死傷罪と比べて大幅に重くなっています。

対象となるのは、飲酒運転や、制御困難な高速度での走行、信号無視などで、2020年の法改正ではあおり運転のような「妨害行為」も加わりました。

ただ、事故の遺族などからは適用要件があいまいだとして数値基準を設けるよう求める声が相次ぎ、こうしたことも背景に今回、法律が改正されました。

法務省は、明確な数値基準を設けたことで実態に即したより厳正な対処が可能になるとしているほか、事故の抑止にもつなげたいとしています。

一方、スマートフォンなどを使用しながらの運転は、今回の改正では危険運転の対象とすることは見送られ、衆議院法務委員会では必要に応じて対象とするよう検討することなどを求める付帯決議が全会一致で可決されました。

いわゆる「ながら運転」による悪質な事故が後を絶たない中、今後、危険運転の対象とするかどうかの議論が活発になることも予想されます。

平口法相「抑止に資するもので重要な意義」

平口法務大臣は閣議のあとの記者会見で「危険で悪質な運転による死傷事犯について、事案の実態に即したより厳正な対処を可能とするとともに、抑止に資するもので重要な意義を持つ。適切に適用されるよう趣旨や内容などの周知を徹底するとともに、国民への分かりやすい広報や啓発に努めたい」と述べました。

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